2013 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平上皮癌における真に有用な分子標的薬耐性マーカーの開発
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25463120
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
山崎 浩史 東海大学, 医学部, 准教授 (00338708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 泰昌 独立行政法人国立がん研究センター, 中央病院 病理・臨床検査科, 医員 (00296708)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口腔扁平上皮癌 / 分子標的薬 / 薬剤感受性試験 |
Research Abstract |
上皮成長因子受容体(Epidermal Growth Factor Receptor : EGFR)を標的とする抗体薬であるセツキシマブ(cetuximab : C-mab)は、大腸癌に続き、頭頸部癌においても2012年12月に国内承認された。大腸癌ではK-RAS遺伝子変異が、C-mab不応因子であることが確立しているが、頭頸部扁平上皮癌ではK-RAS変異はほとんど報告されておらず、現在のところ有用な効果予測因子は確立されていない。2013年以降、口腔扁平上皮癌(Oral squamous cell carcinoma : OSCC)症例でのC-mabの使用頻度が増加しており、有用な効果予測因子を確立することは、治療成績の向上と治療費用の縮減の双方に有効であると考えられる。本研究は、本邦OSCC症例に対する分子標的治療において、真に有用な効果予測・薬剤耐性マーカーの開発を目的とする。 平成25年度は、OSCC細胞株およびOSCC臨床サンプルをC-mab感受性群・抵抗性群に分類することを目標に実験を実施した。 実験①ヒトOSCC細胞株6株(HSC3、HSC4、SAS、KON、OSC20、Ca9-22)に対して生存率を測定した。薬剤接触条件はC-mab5、50、500μg/ml、接触は144時間とした。結果:Ca9-22に生存率の低下を認めた。 実験②術前に同意が得られた、術前未治療口腔扁平上皮癌症例の手術標本から採取した腫瘍組織を用いて、CD-DST(Collagen gel droplet embedded culture drug sensitivity test)法による薬剤感受性試験を実施した。8症例に実施し、うち1例は真菌の混入により中止、1例は腫瘍細胞が少ないため除外した。2例は測定中である。検討可能な4例中3例がC-mab高感受性、1例がC-mab低感受性であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
化学療法や分子標的薬治療を行う口腔扁平上皮癌症例の臨床サンプルの集積が遅れている。そのため、臨床で実際に治療効果が認められたサンプルの集積が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
実地医療において複数の効果予測因子を検索・評価することは困難である。CD-DST法によって、包括的な効果予測が可能になると考えられる。 また、有用なバイオマーカーが存在しなくても、 CD-DST法によって効果予測は可能である。さらには、C-mab以外の分子標的薬にも利用できる可能性が高い。そこで、今後もCD-DST法による感受性群・抵抗性群の評価を継続する。一方、CD-DST法は、操作が煩雑であり、コスト面での問題があり、課題が多いのが実状である。したがって、より簡便に測定可能なバイオマーカーの探索を行う。 研究計画としては、1)OSCC細胞株およびOSCC臨床サンプルをC-mab感受性群・抵抗性群に分類する。2)C-mab感受性および抵抗性に関連する遺伝子・分子を同定する。3)候補遺伝子・分子のバイオマーカーとしての有用性を検討する。4)C-mab抵抗性OSCCに対する治療戦略を検討する。このうち、平成25年度は1)について実施したが、平成26年度は1)の継続と2)、3)を実施する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
臨床サンプルの集積が目標数に到達しなかったため、実験計画が遅延した。実験計画の進行に合わせ、試薬を購入するため、次年度使用額が生じた。 消耗品(試薬・プラスチック製品)購入で使用する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] MRI analysis of chronological changes in free-flap volume in head and neck reconstruction by volumetry2014
Author(s)
Yuki Sakamoto, Taro Takahara, Yoshihide Ota, Takayuki Aoki, Hiroshi Yamazaki, Mitsunobu Otsuru, Miho Takahashi, Ken-ichi Aoyama, Akihiro Kaneko, Shunichi Kawada, Tamaki Ichikawa, Kotaro Imagawa, Muneo Miyasaka
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Journal Title
The Tokai Journal of Experimental and Clinical Medicine
Volume: 39(1)
Pages: 44-50
Peer Reviewed
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