2013 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ加速度センサーを用いた咬合力3次元可視化への挑戦ー外科矯正の観点からー
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25463125
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松下 和裕 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10399933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 農夫男 北海道大学, ー, 名誉教授 (20091415)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 咬合力 / 3軸加速度センサ |
Research Abstract |
口腔内の環境に適する超小型の3軸加速度センサを選定した。数ある中から、センサの大きさ、感度、出力法、設置法、そして増幅法、解析法までも検討し、大きさが3mmX3mmX1mmのピエゾ抵抗型3軸加速度センサ(HAAB-346A、北陸電気工業、富山)を選定した。歯の表面の限られたスペースに設置し、しかも咀嚼運動を障害しないような体裁にしなくてはならず試行錯誤を重ねた。結果、フレキシブル基盤にセンサを搭載して、各歯面の頬側にスーパーボンドで接着し、そこからケーブル伸ばし口角の部分に出す形状とした。口角の部分にはフレキシブル基板ーケーブル変換基板を設置して、メモリハイロガー(LR8431、日置電機株式会社)を接続し、記録することとした。 この配線構造を実現するため随処に創意工夫が必要であった。まず、口腔内は湿潤環境であるため適切なシーリングが必要であり、また、体内への設置となるため体に影響を及ぼす可能性のある材料の使用は控えた。即ち、鉛を含まない接合剤や死腔を埋めるための充填剤の工夫を行った。結果、充填剤はシリコーン樹脂(Sylgard 184 Silicone Elastomer、DOW CORNING社)を選定した。ただ、センサは対放射線設計はされていないため、薬液消毒を行って使用することとなった。また、メモリーロガーとの接続法を検討し、感度良く記録できる条件を設定した。 このように、測定センサの設計、環境設定、条件設定を行った後、当院の高度先進医療支援センター 自主臨床研究事務局に実験計画書を提出し審査を仰いだ。結果、生体内に設置するためには、さらにクリアーしなければならない問題点をいくつか指摘され、現在その検討を行っている。測定システムの大きな構図はできあがっているため、今後は指摘された項目をクリアーしながら、生体内に設置して臨床応用を図る予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
測定システムは完成したが、生体への装着には材料学的な問題、滅菌消毒の問題、誤嚥時の問題などいくつかクリアーしなければならない点がある。また、測定された波形の解析についても、その抽出条件の設定が必要である。模型等を用いてのシミュレーションも考えているが、実際の生体での環境を再現できる実験系が難しく、検討の最中である。
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Strategy for Future Research Activity |
生体への設置の観点、分析法の観点の2本柱で検討する。前者に関しては、材料学的に対放射線特性を有した構造の工夫、シーリングの方法も再検討する。また、後者の分析法の確立に関しては、客観性、再現性のあるジグの検討も行いたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
測定システムの開発は順調に行っているが、実際に生体に装着しての研究に関し、当院高度先進医療支援センター 自主臨床研究事務局に問題点を指摘され、生体での研究が一時保留になっているため。 指摘された問題点を改善、あるいは、他の実験系でシュミレーションして、咬合力のかかる方向を測定、分析する手法を確立する。
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Research Products
(2 results)