2013 Fiscal Year Research-status Report
歯科治療中の笑気吸入とイージーリスニングが自律神経機能に及ぼす影響
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25463138
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
椙山 加綱 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 教授 (50124772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大内 謙太郎 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (70550862)
真鍋 庸三 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (90248550)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 精神鎮静法 / リスニング効果 / 精神的ストレス / 自律神経機能 |
Research Abstract |
精神鎮静法を用いて歯科治療時のストレスを軽減し、さらにヘッドホンでイージーリスニングの音楽を聴いてリラックスしながら歯科治療が受けられるリラックス歯科外来を専門外来として立ち上げて実践している。本研究では脳波・心電リアルタイム解析システムMemCalc/Makin2を用いて、歯科治療中の笑気吸入鎮静法と聴覚を介したイージーリスニング効果が自律神経と脳波活動にどのような影響を及ぼすかを評価した。 有志健康成人をデンタルチェア上で仰臥位にして、患者監視装置BP-608の血圧測定用カフと脳波・心電リアルタイム解析システムMemCalc/Makin2の電極を被験者に装着した。安静状態を維持したのちに循環動態、自律神経機能、中枢神経機能の各パラメータをパソコンに取り込み、テキストファイル形式で保存した。 次に、笑気吸入鎮静器サイコリッチT-70を用いて、被験者に30%笑気と70%酸素の混合ガスを鼻マスクから吸入させ、至適鎮静状態に達したのちに脳波・心電リアルタイム解析システムMemCalc/Makin2と患者監視装置BP-608を用いて、循環動態、自律神経機能、中枢神経機能の各パラメータを測定記録した。さらに、ポータブルオーディオシステムにヘッドホンを接続して被験者にイージーリスニング音楽を聴かせ、笑気吸入と音楽聴取による精神鎮静状態において、脳波・心電リアルタイム解析システムMemCalc/Makin2と患者監視装置BP-608を用いて、循環動態、自律神経機能、中枢神経機能の各パラメータを測定記録した。 その結果、笑気吸入により循環動態に著しい変化は認められなかったが、LF/HFは増加傾向を示し、脳波上で%α波が減少傾向をしました。一方、笑気吸入中における音楽聴取によりLF/HFが減少傾向を示す被験者と逆に増加傾向を示す被験者がいた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度の直接経費配分額により脳波・心電リアルタイム解析システムMemCalc/Makin2、ポータブルオーディオシステム、ノイズカットヘッドホンを購入することができたので予定していた研究を開始することが可能となった。 笑気吸入鎮静法とイージーリスニングの音楽との効果に関して自律神経系および脳波変化の面から検討した研究は未だ報告されていないので、本研究により貴重なデータを得ることができたと思う。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の計画通りイージーリスニング音楽の被験者数を増加させるとともに、本年度の研究結果を踏まえて、自分の好みの音楽が自律神経系、中枢神経機系、循環器系に及ぼす影響 好みではない音楽が循環動態、自律神経機能、中枢神経機能に及ぼす影響について研究を進める。さらに歯科治療中の不快な雑音が循環動態、自律神経機能、中枢神経機能にどのような影響を及ぼすかについても検討を加える予定である。
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