2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25463142
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
椎葉 俊司 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (20285472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
布巻 昌仁 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (10341489)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 大脳辺縁系 / 扁桃体 / 慢性疼痛 / 非定型歯痛 / 自律神経機能 / R-R'間隔スペクトル解析 |
Research Abstract |
平成25年度は口腔顔面領域の代表的な慢性疼痛疾患である非定型歯痛(Atypical Odontalgia;AO)患者の心理ストレス(映像ストレス)および身体ストレス(チルトテスト)に対する自律神経反応を心電図RR'間隔をリアルタイムでスペクトル解析を行い検討した。通常であればストレスに対して交感神経および自律神経全体の活動亢進が認められるが、いずれのストレスに大してもAO患者は反応が小さく、緩慢であることがわかった。自律神経の中枢は視床下部にあり特に心理ストレスは大脳辺縁系の修飾を受ける。慢性疼痛患者の自律神経反応が緩慢であったことより視床下部、大脳辺縁系に機能変調が起こっている可能性が示唆された。痛みとは侵害受容性疼痛以外に負の情動体験と定義されている。AO患者は発症の1年以内に大きな負の心理ストレスを受けており、それが疼痛発現機序に関係している可能性を平成24年度に報告した。情動をコントロールしているのはまさしく大脳辺縁系でることより、大脳辺縁系の機能変調が慢性疼痛発症機序に深く関与している可能性がある.そこで、臨床的にAO患者の大脳辺縁系の活動をfMRIを用いて検討した。非磁性の金属性電極を用いて電流による疼痛刺激を加えた。結果として扁桃体の活動亢進が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
非定型歯痛の患者50名の心理および身体ストレス時の自律神経活動の変化のデータ収集を行い分析した。その結果は日本歯科麻酔学会雑誌に総説として発表した。当初25年度の達成目標はここまでであったが、26年度に行う予定であったAO患者の大脳辺縁系活動をfMRIにを用いて2名について検討ができた。
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Strategy for Future Research Activity |
AO患者のfMRI検査によって慢性疼痛発症に大脳辺縁系である扁桃体の関与が明らかにされた。これを動物実験で証明する予定である。慢性疼痛モデルとしてラット坐骨神経を4本の縫合糸で緩徐に縛ったCCIモデルを作成する。さらにラット脳扁桃体のドーパミン神経をマイクロダイアリシスの手法を用いて破壊し、その疼痛閾値に与える影響を疼痛関連行動を測定することで検討する。
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Research Products
(2 results)