2014 Fiscal Year Research-status Report
骨微小損傷部の再生に関与するシグナル伝達機構の解明
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25463144
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
村田 勝 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (00260662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 勝敏 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (50433438)
赤澤 敏之 地方独立行政法人北海道立総合研究機構, 工業試験場, 主幹 (80469692)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨微小損傷 / 超音波照射 / クラック / 電気分解水 |
Outline of Annual Research Achievements |
Wistar rat 頭蓋骨骨膜を剥離後、側頭骨に探針を用いた手動スクラッチあるいは電気分解水注水下で超音波照射刺激による機械的ダメージを与えて復位縫合した。対照群は骨膜剥離後にそのまま復位縫合した。すなわち3群(スクラッチ群、超音波照射群、対照群)を設定した。電気分解水は、3室ダブルイン型電解システムを用いた食塩水飽和溶液の電気分解により、pH2.6の酸化水を使用した。超音波照射刺激は30秒とした。側頭骨は直ちに2%グルタールアルデヒド溶液に浸漬固定した。 SEM で観察した結果、スクラッチ群は母骨に探針の先端で形成された線状溝がみられた。長さ1-5μmの生理的クラックが散在していた。骨面は平坦であるがナノサイズの生理的なホールが観察された。 超音波照射群は、長さ1-10μmの微小損傷(クラック)が多数不規則に形成された。クラック幅は、約3μm以下であった。微小損傷部内部にコラーゲンの線維構造が認められた。骨面上にはナノサイズの結晶が多数沈着していた。この結晶の由来は電解水(pH2.6)により脱灰溶出したカルシウムイオンが塩素イオンと反応して形成された塩化カルシウムと考えられる。 対照群は、長さ1-5μmの生理的クラックが散在していた。骨面は平坦であるがナノサイズの生理的なホールが観察された。共焦点レーザー顕微鏡で骨細胞骨格のネットワークを観察すると骨膜剥離という手技により、骨表層から2-3層の骨細胞が壊死することが判明した。細胞突起の断裂による骨壊死がネットワークを介して内部まで拡大することが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
共同研究者のサイエンスの心に基づいた強い信念で前進しているためである。 2容器を有する超音波スケーラー装置の選定が適切であった。 酸性とアルカリ性の異なる溶液を入れることが可能な装置であり、きれいで迅速な実験操作を可能にした。 3室ダブルイン型電解システムを用いた食塩水飽和溶液の電気分解により、酸化水(pH2.6)と還元水(pH12.0)を生成して実験に使用できた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に基づき実行する。 予定計画実施後に可能ならば、ナノマイクロダメージを有する骨板上で骨細胞様細胞のみならず歯根膜細胞を培養する。
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Causes of Carryover |
研究補助員の確保に時間がかかった。研究補助員が大学生のため、補助の回数が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究補助員をもう一人確保したい。
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