2015 Fiscal Year Annual Research Report
脳組織の恒常性に対する麻酔薬の障害作用に関する細胞生物学的研究
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25463145
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
飯島 毅彦 昭和大学, 歯学部, 教授 (10193129)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | glycocalyx / permeability / proteoglycan / LPS / sepsis / glycosaminoglycan / dextran / lectin |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者らはこれまで生体内でのグリコカリックス(GCX)の可視化に成功し、血液が流れている中でのGCXの観察システムを構築した。GCX層はグリコサミノグリカンを主な構成要素としている点に着目し、生体内での挙動観察方法として、糖鎖構造と特異的に結合する糖タンパク質であるレクチンの性質を用いた。レクチンによる血管内皮表層の描出に際し、蛍光標識されたレクチンを静脈内投与し、血管内腔から描出することで、蛍光標識レクチンの挙動の経時変化を観察した。観察方法としてマウスに背側皮膚透明窓(DSC)法を用い、生体顕微鏡で観察した。そして、植物由来の7種類のレクチンの中から、本研究の実験系に適切なレクチンの評価を行い、小麦胚芽凝集素(WGA)が適していること見出した。さらに機能的な役割を検討するため、LPS(Lipopolysaccharide)による実験的な敗血症を起こすとこの構造物が変化を起こし、脱落を起こしていくことを捉える事が出来た。単なるGCXの観察だけでなく、病理的な変化を観察する段階まで研究を進めることができた。さらに血管内の水分およびタンパクの漏出を可視化するために75kDのデキストランをTMR(tetra methyl rodamine)で標識し、蛍光画像を撮影した。敗血症モデルではGCXの崩壊に伴い、高分子のデキストランの漏出が進むことを示すことができた。本研究結果は2015年国際麻酔研究会で発表され、薬理学部門最優秀賞を受賞した。、また、2015年世界微小循環会議では優秀ポスター賞を受賞した。本研究はMicroscopy Research and Technique 79(1):31-37 (2016)に掲載され、画像が表紙に採用された。さらに総説1編を投稿、原著論文1編を執筆中である。
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Research Products
(2 results)