2014 Fiscal Year Research-status Report
静脈内鎮静後の一過性血圧低下に対する心循環調節機能回復に関する実験的研究
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25463149
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小川 洋二郎 日本大学, 医学部, 助教 (60434073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 賢一 日本大学, 医学部, 教授 (80287630)
加藤 実 日本大学, 医学部, 准教授 (10224510)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 静脈内鎮静法 / 医療・福祉 / 脳・神経 / 歯学 / 生理学 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科治療後の体位変換や起立動作により生じる一過性の血圧低下からの回復遅延は,眩暈やふらつきを誘発し,転倒による重大な偶発症を招く可能性がある。しかし,静脈内鎮静後の平衡機能等の回復に関する研究は多数あるものの,血圧を維持する循環調節機能の回復に関する研究はほとんど行われていない。そこで今回,「ミダゾラムおよびプロポフォール鎮静後の循環調節機能を経時的に評価することで,静脈内鎮静により減弱した循環調節機能の回復程度および回復時間を明らかにする」ことを目的とする。その際,体位変換等により生じる一過性の血圧低下を模擬し,より臨床の場に即した研究データから全身的偶発症の防止に貢献する新たな知見を提示する。 3ヵ年の実験計画の期間中,初年度に賠償責任保険加入等の準備期間を設け,以後,健康成人男性20名(のべ40名)を対象とし,平成26年度は「ミダゾラム鎮静後の循環調節機能減弱からの回復経過」の検討を,平成27年度は「プロポフォール鎮静後の循環調節機能減弱からの回復経過」の検討をする。 当初の予定通り,平成26年度は「ミダゾラム鎮静後の循環調節機能減弱からの回復経過」を検討した。大腿カフ急速解除法により起立動作のような一過性の血圧低下を模擬し,その際の心拍上昇反応を測定すること循環調節機能を評価した。その際,鎮静薬(ミダゾラム)の効果持続時間と半減期を考慮し,鎮静後1.5時間経過するまで20分毎に大腿カフ急速解除法による測定を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は「ミダゾラム鎮静後の循環調節機能減弱からの回復経過」の検討では,20名の被験者データ測定を予定していた。しかしながら,循環系のデータを測定できた被験者は現時点で半分程度に留まっている(実験に参加を希望し,同意書を既に得ている被験者は多数確保済)。必要人数が確保できなかった理由として,被験者の全身管理を担当している麻酔科医の学外出向等により,実験日の確保が困難になった時期があったためである。
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Strategy for Future Research Activity |
3か月を目途に,若干遅れのある「ミダゾラム鎮静後の循環調節機能減弱からの回復経過」の検討を行う。すでに,平成27年度は麻酔科医との連携が取れており,実験日の確保が容易になっている。その後,「プロポフォール鎮静後の循環調節機能減弱からの回復経過」の検討を引き続き行う。実験設備等は,平成25年度から変更がなく,準備期間も必要なく,継続して実施できる環境が整っている。
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Causes of Carryover |
目標被験者数に達しなかったため,人件費・謝金に残額が生じた。また,使用機器の修理があり,「その他」にて計上している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
予定通り,被験者の謝金として使用する。修理費による使用分の補填は,消耗品費および旅費を切り詰めることで対応する。*実験に必要な薬剤以外の消耗品(点滴等),前年度の在庫を使用。*中間報告を行う予定の学会開催地が近郊であり,旅費を節約可能。
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