2013 Fiscal Year Research-status Report
舌乳頭新生技術確立の為の胎仔培養舌粘膜組織siRNA導入による形態形成干渉の検証
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25463153
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
吉村 建 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 准教授 (90297953)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 舌粘膜 / 遺伝子導入 / Electropolation / 胎仔 |
Research Abstract |
妊娠ラットより胎仔を採取し、舌粘膜を周辺組織とともに分離した。得られた舌粘膜組織はOpti-MEM血清低減培地によりCO2インキュベーター(5% CO2、95% 空気)で器官培養を行った。培養舌粘膜組織は各ステージにおいて経時的にKarnovsky液による固定を行い、タンニン酸・オスミウムによる後固定後、凍結乾燥を行い、走査電顕による舌粘膜表面の観察を行うことで、通常の舌粘膜組織発生の各ステージの走査電顕像との比較を行った。その結果、Opti-MEM血清低減培地による器官培養において、舌粘膜発生のスピードは著しく低下する事が示された。 同時に、NEPA GENE社製遺伝子導入装置NEPA21により、遺伝子導入効率の検証を行った。導入効率の検証にはOpti-MEM血清低減培地並びにBGJb無血清培地により、器官培養された舌粘膜組織に対し、Electropolation法によるpCAGGS-eGFPベクターの導入を行い、導入効率の比較を行った。pCAGGS-eGFPベクター導入後、舌粘膜組織は引き続き上記培地により、それぞれ器官培養を行った。導入から24、48時間後、447nm UV-LEDイルミネータ照明下で515nmロングパスフィルターを装着した実体顕微鏡において導入されたGFPの組織内蛍光を観察・撮影した。eGFPベクター導入より72時間後、培養組織を4%PFAにて浸漬固定し切片作成後、抗GFP抗体による免疫染色を行い、組織学的観察を行うことで導入範囲の特定並びに設定至適条件の検討を行った。その結果、BGJb無血清培地はOpti-MEM血清低減培地に比べ、遺伝子導入効率が著しく低い事が示されたものの、Opti-MEM血清低減培地においてもpCAGGS-eGFPベクターによる舌粘膜組織内に遺伝子導入された範囲は舌粘膜組織全体から比べ、まだまだ限局的であり、さらなる至適条件の検討の必要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、Lipofectionによる組織内遺伝子導入を検討していたが、現時点でLipofectionによる組織内導入例がなく、遺伝子導入に関し困難が予想されたため、胎仔組織内への遺伝子導入例があり実績のあるElectroporation法による遺伝子導入に変更する事となった。その為、Electroporation法を実現する機器導入が必要となり、機器の選定・導入に時間が掛かった為に、達成が遅れることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
器官培養による胎仔舌粘膜組織の発生のスピードは通常の発生段階より著しく低下する事、そして舌粘膜組織における遺伝子導入による導入範囲は限局的である事が示された。この問題に対応する為、各発生のステージ毎にElectroporation法による遺伝子導入を行い、発現遺伝子並びに局在する蛋白を短期的に検索するという方略、導入後の組織変化や他の遺伝子発現・蛋白局在を形態学的に検索するという方略により対応する。 今後、各種蛍光タンパクベクターとともにsiRNAを共導入し、導入後に発現する遺伝子ならびに局在蛋白を組織上にて形態学的に検索する。siRNAは蛍光タンパクベクターとほぼ同一の導入効率・導入範囲ということから、導入部位は蛍光タンパクにより可視化が可能である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初、Lipofectionによる組織内遺伝子導入を検討していたが、現時点でLipofectionによる組織内導入例がなく、遺伝子導入に関し困難が予想されたため、胎仔組織内への遺伝子導入例があり実績のあるElectroporation法による遺伝子導入に変更する事となった。その為、Electroporation法を実現する機器導入が必要となり、NEPAGENE社製遺伝子導入装置 NEPA21エレクトロポレーターを導入した。そのために前倒し請求を行う事になったが、本機器購入の価格折衝の結果と、年度末の試薬等消耗品の支払い額に端数が生じたため。 実験動物、抗体など試薬等の支払いに充当する。
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