2013 Fiscal Year Research-status Report
幼少期に身体抑制を経験したラットの成長後の中枢神経系、特に視床下部の機能
Project/Area Number |
25463160
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
吉原 俊博 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (60261319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 昇平 北海道大学, 大学病院, 講師 (00374546)
菊入 崇 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (10322819)
高崎 千尋 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60451449)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 身体抑制 / ストレス反応 / HPA axis / ラット |
Research Abstract |
本研究では、幼少期に身体抑制ストレスを経験したラットがどのように成長し、成長後のストレス反応のメカニズムや特徴を考察し、さらに生活リズム、摂食行動、生殖機能に関与する中枢神経系の機能を神経内分泌学的、分子生物学的手法などを用いて調べる。 本年度の実績を以下に示す。 生後1週齢時に1日1回30分の身体抑制を1回(1日)行う群(A群)・生後1週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回(7日)行う群(B群)・生後3週齢時に1日1回30分の身体抑制を1回(1日)行う群(C群)・生後3週齢時に1日1回30分の身体抑制を7回(7日)行う群(D群)・対照群(身体抑制を一切経験しない群)について、以下の実験を行った。 実験1.「幼少期身体抑制ストレスの成長に対する影響について」3か月間にわたり、体重、摂食量の測定、血漿中の成長ホルモン量の測定を行った。幼少期身体抑制ストレスが成長(体重変化)、摂食量、成長にどのように影響しているか、5群間で比較検討した。B群は対照群に比較して、体重、摂食量、成長ホルモン量、いずれも有意に少なかった。A群、C群、D群は対照群とは有意差がなかった。 実験2.「幼少期身体抑制ストレスを受ける時期や程度が成長後のHPA axisのストレス反応性に対する影響について」、出生から3か月後に新規環境変化ストレスを負荷し、経時的に血漿中のコルチコステロン量を測定した。B群はA群、C群、D群に比較して、有意にストレス反応が大きかった。 以上の結果より、身体抑制ストレスを受ける時期や程度により、成長及びHPA axis反応性が異なることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究計画のうち、まだ実験を終了していない項目(実験3-1.「HPA axis negative feedback機能について」)があるが、来年度の計画の中で十分行うことができると考えられるので。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通りに進める予定である。上に記したように、平成25年度中の研究計画を一部が完了していないが、平成26年度の前半に完了する予定である。平成26年度の後半は、当初の研究計画(実験3-2.「上行性カテコールアミンニューロンのCRH産生分泌促進機能について」および実験3-3.「視床下部視交叉上核の時計遺伝子発現について」)を行う予定である。
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