2014 Fiscal Year Research-status Report
発達期の摂食機能獲得に関与する機能分子の組織学的研究
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25463163
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高崎 千尋 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (60451449)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内ヶ島 基政 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (10614662)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 摂食 / マウス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、マウス脳領域における摂食に関与する分子の細胞発現や機能を明らかにすることを目的として行っている。平成26年度は摂食と関連のあるコレシストキシンA受容体(CCKAR)とモノカルボン酸トランスポーター1(MCT1)の脳幹での発現と局在解析を中心に行った。その結果、タンパクレベルでは、CCKARは最後野に発現し、その一部は小胞膜型グルタミン酸トランスポーターVGluT2と共陽性を示した。しかし、CCKAR mRNAは最後野において発現がほとんど認められず、VGluT2 mRNAとは陰性を呈した。一方、MCT1 mRNAは脳幹全体に発現がみられ、迷走神経背側運動核や最後野で強いシグナルが認められた。迷走神経背側運動核ではコリントランスポーター(CHT) mRNAを発現しているコリン作動性ニューロンにMCT1 mRNAの強いシグナルが認められたほか、アストロサイトのマーカーであるグルタミン酸トランスポーターGLAST mRNAや血管内皮細胞のマーカーであるvascular endothelial growth factor receptor 1(VEGFR1) mRNAともMCT1 mRNAは一部共陽性を示した。タンパクレベルでMCT1はニューロンのマーカーであるmicrotubule associated protein 2(MAP2)とは陰性であったが、アストロサイトのマーカーGLASTや血管内皮細胞のマーカーのグルコーストランスポーター1(Glut1)とは共陽性を示した。以上より、上記分子の転写レベルと翻訳レベルでの乖離が示唆された。また、MCT1 mRNAが迷走神経背側運動核のニューロンに発現するという新たな知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画の一部は平成26年度に成果発表を行った。もう一つの解析事項であるマウス脳領域における摂食に関与する分子の発現解析については現在進行中であり、計画に従い、解析を進める予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
MCT1は、mRNAレベルではニューロンにも発現するが、タンパクレベルでは非ニューロン細胞に発現していたので、脳幹以外の脳領域でも解析を進めるほか、電子顕微鏡による微細構造解析も行う予定である。
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Research Products
(3 results)