2014 Fiscal Year Research-status Report
ナノサイエンスを応用した新規顎顔面領域の縫合部制御法の開発
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25463166
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
川元 龍夫 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50323704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 啓司 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20262206)
小林 起穂 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20596233)
東堀 紀尚 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (50585221)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯学 / 矯正学 / ナノサイエンス科学 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:リラキシンは子宮弛緩因子と呼ばれるペプチドホルモンであり子宮や胎盤等から妊娠末期に血中へ分泌され、恥骨結合を弛緩させて分娩を補助する。リラキシンは骨芽細胞膜上のリラキシン受容体(Rxfp1, Rxfp2)を介して骨芽細胞分化を促進、MMP活性の亢進、コラーゲン生成の抑制することを報告してきた。しかし、顎顔面領域におけるリラキシン受容体の発現は不明であるため、これら分子が顎顔面領域の発生に関与しているかどうかを検証することを目的とした。 資料および方法:胎生13.5および胎生18.5のマウス頭蓋顎顔面領域において、Rxfp1、Rxfp2のmRNAレベルでの発現パターンをin situ hybridization法にて検索した。 結果:胎生13.5および胎生18.5において発生中の上顎骨、下顎骨、メッケル軟骨、舌、歯胚にRxfp1,Rxfp2の発現を認めた。 結論:リラキシン受容体は胎生後期の顎顔面領域に発現しており、平成25年までの研究成果よりリラキシンはRxfpを通じて骨芽細胞分化を促進し、コラーゲン生成を抑制することと併せると、胎生後期の骨発生に何らかの機能的役割を果たすことが示唆された。これは、歯科矯正学的に骨縫合部拡大を行う際に、縫合部局所にリラキシンを投与することが、拡大量の増加、拡大後の骨添加亢進による安定性の上昇が期待できる可能性を示唆する大きな意義のある結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究は計画通り進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
リラクシン磁性リポソーム生体内投与とその影響に関する検討(マウス矢状縫合部) 8週齢雄性マウス頭頂骨に矯正用ワイヤーで作成した拡大装置を装着し、リラクシン結合型リポソーム投与群、生理食塩水投与群として矢状縫合の側方拡大を行う。また、非拡大群を陰性対照群として拡大2日目、7日目において、マウスを屠殺し、マイクロCTを撮影し、縫合部の拡大量、骨密度を評価する。また、縫合部のレジン包埋切片を作成し、形態学的観察、TRAP assayによる破骨細胞出現様相を検索する。拡大部における骨芽細胞の分化状態、及び破骨細胞分化誘導因子であるRANK/RANKLシグナル経路について免疫組織学的手法を用いて解析する。
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Causes of Carryover |
実験の順序を若干修正したため、実験に使用するための機材の購入が先送りになったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究の進捗状況はおおむね計画通りに進んでいるため、基本的に計画通りの用途で使用していく予定である。
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Research Products
(3 results)