2013 Fiscal Year Research-status Report
次世代シークエンサーによるGPCR転写制御マップの作成と骨再生遺伝子治療
Project/Area Number |
25463169
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡 一平 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (10431941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KA 井上 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90302877)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GPCR / RNAシークエンス / RNAi / 転写マップ / 骨再生 / 遺伝子治療 / 唾液腺 |
Research Abstract |
7回膜貫通型受容体であるGタンパク質共役型受容体 (G-protein coupled receptor: GPCR)には4つのファミリーが存在するが、セクレチン型のGPCRクラスB (GPCR-classB: GPCR-B)には骨代謝制御に関わる受容体が数多く存在することが知られている。現在、骨疾患治療薬の標的受容体として最も研究が展開されているGPCR-Bを介した安全で効果の高い新規骨再生治療法の開発を研究の全体構想として掲げ、骨芽細胞に存在するGPCR-Bの発現調節機構を解明し、骨形成に対して抑制的に作用するGPCR-B遺伝子をターゲットに最新のRNA工学(次世代シークエンサーとバイオインフォマティクスツールの活用)を用いた骨再生遺伝子治療を唾液腺を標的臓器として実践することが本研究の具体的な目標である。H25, 26年度は培養骨芽細胞に対して骨形成誘導因子やGPCR-Bアゴニストを作用させ、次世代シークエンサーを用いた転写産物の網羅的解析(RNAシークエンス)を行いGPCR-B遺伝子の転写制御ネットワークマップの作成を行う。このマップを参考に骨形成抑制候補転写産物を選定し、選定された因子のサイレンシングに伴う骨再生能を生化学的解析によって評価する予定である。またH27 年度は唾液腺を標的とした骨再生遺伝子治療の可能性を探るため、唾液腺細胞に対してRNAシークエンスを行い、H25, 26年度にサイレンシングの候補となった転写産物に対し相補的に働く内因性のmicro RNAなどの転写産物の存在を確認する。確認された転写産物の増幅を促す遺伝子操作を行い、唾液腺由来の核酸による骨再生効果を検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨芽細胞上にGPCRに分類される2つのインクレチン受容体(GLP-1、GIP受容体)の発現が初めて確認され、BMP-2投与による発現増強や糖濃度による発現に違いが確認された。 またラット唾液腺においてGIPとGIP受容体の発現とその増齢変化を初めて確認された。in vitro、in vivoの実験系より標的GPCRの絞り込みがある程度進展したことから進捗状況はおおむね達成されていると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までの結果を踏まえ、今後はIn vivo, In vitro双方の実験系からインクレチンが顎骨、歯槽骨代謝に及ぼす影響とそのメカニズムについて詳細な検討を行っていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当該年度の研究はおおむね順調に推移しているが、次年度も引続いて継続した実験が必要であるため。 初年度のデータをもとに、引き続き生化学実験遂行のため培養および定量PCR関連の試薬などに研究費を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)