2014 Fiscal Year Research-status Report
障害に応じた歯科的対応法の確立~心身障害児の心理的ストレス定量化を通して~
Project/Area Number |
25463172
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
佐野 富子 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (40323977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 邦子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80213693)
朝日藤 寿一 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (90313519)
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Project Period (FY) |
2014-02-01 – 2017-03-31
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Keywords | 障害者歯科学 / 心身障害児 / ストレス評価 / アンケート調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
心身障害児は、コミュニケーションや対応の困難さから歯科を受診する環境が制限される場合が多く、十分な歯科的ケアを受けられない現状にある。障害児の歯科治療をスムーズに行うためには、受診時の歯科恐怖心や心理状態を把握し、患者に適した歯科的対応法を選択することで歯科治療に適応させるよう導くことが望まれる。本研究は、心身障害児の心理的ストレスを客観的に評価し、心理面に配慮した歯科的対応法を確立することを目的としており、研究の開始にあたり、新潟大学歯学部倫理員会の承認を得るため倫理審査申請書を提出した。 心身障害児の歯科治療時の心理的ストレス把握の一助とするため、対象児に対し歯科治療に関するアンケート調査を行うこととした。予備調査として、被験児(視覚障害児、聴覚障害児、知的障害児)に対するアンケート用紙を作成し、新潟大学医歯学総合病院小児歯科・障がい者歯科診療室を受診中の心身障害児数名に対し、アンケート用紙を用いて歯科に対する恐怖心や要望、歯科的既往歴を聴取した。知的障害の程度によっては、アンケートに回答することが難しい場合も認められたたため、アンケート用紙の内容を改良するとともに、被験児の選定に一定の基準が必要であると判断し、基準を設定した。 また、唾液アミラーゼ活性測定(心理的ストレス定量化)の方法として、以前用いていたG5-β-CNP基質法による測定を予定していたが、より簡便な手法で測定可能な酵素分析装置(ニプロ社製唾液アミラーゼモニター)を用いることとし、調査者間で機器の取り扱いについて打ち合わせを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、初年度よりデータ採取を予定していたが、試料採取に先立って行う歯科治療に関するアンケート調査で使用する調査用紙の作成や被験児の選定基準設定に時間がかかったため、予備調査にとどまってしまった。 また、唾液アミラーゼ活性測定キットを使用して心理的ストレス評価を行っていくこととしたが、調査者全員が器具の取扱いに習熟する必要があり、まだ実際の被験児に使用するには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
新潟大学医歯学総合病院小児歯科・障がい者歯科診療室を受診中の患児を被験児としてデータ採取する予定であったが、予備調査の結果、被験児の選定には知的障害の程度を考慮した一定の基準が必要であると判断したため、被験児のデータが不足することが予想される。 今後は、周辺地域の盲学校、聾学校、特別支援学校、福祉施設等まで対象施設を広げて協力を求め、連携して被験児の選定を行い効率的なデータ採取を行っていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
当初、初年度より心理的ストレス評価のためにデータ採取を予定していたが、試料採取に先立って行う被験児の選定基準設定に時間がかかったため、予備調査にとどまってしまった。その結果、唾液アミラーゼモニター用チップの必要量は少量であった。今後、実際に被験児の唾液アミラーゼ活性測定を開始するには、大量の唾液アミラーゼモニター用チップが必要になることから助成金不足が予想されるため、10万円を次年度使用額とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度より、被験児の唾液アミラーゼ活性測定を行っていくために、翌年分請求助成金とあわせ唾液アミラーゼモニター用チップの購入に充てる予定である。
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