2014 Fiscal Year Research-status Report
超音波診断検査を用いた顎変形症の機能的診断法の開発
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25463173
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
福井 忠雄 新潟大学, 医歯学系, 助教 (50293212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 孝文 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80198845)
齋藤 功 新潟大学, 医歯学系, 教授 (90205633)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 超音波診断装置 / アプリケーター / 顎変形症 / 嚥下運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
超音波診断装置を用いて、正常咬合者と骨格性下顎前突症患者の水ゼリー嚥下時の舌運動の測定、解析を行なった。測定の際には、前年度に開発した嚥下時舌運動観察用のアプリケーターを使用し、超音波測定装置のプローブを舌の矢状面断と前額面断を測定できるように顎下部に接触させた。 正常咬合者の嚥下時舌運動の様相は、上顎切歯の後方の口蓋前方部に舌尖が位置し、その後舌全体が挙上される。さらに舌側縁部も挙上されることにより、舌中央部に陥凹が生じ、その陥凹部を後方へ移動させていくことによって食塊は後方へ移動し、やがて舌根部が素早く下降することにより食塊が咽頭へ送り込まれる。 一方、下顎前突症患者の嚥下時舌運動の様相は、まず安静時に正常咬合者と比較して比較的低位に舌が位置している。嚥下が開始されると上顎切歯の後方の口蓋前方部に舌尖ではなく舌前方部が挙上され、その後、舌全体が挙上される。ほぼ同時にに舌側縁部も挙上されることにより、舌中央部に陥凹が生じ、その陥凹部を後方へ移動させていくことによって食塊は後方移動し、やがて舌根部が素早く下降することにより食塊が咽頭へ送り込まれる。また前額断において、舌側縁部の挙上は比較的早い時期から行なわれ、嚥下時間の終了時近くまで舌側縁部の前後方向の運動が観察される例も存在した。 観察された嚥下時舌運動の時間は正常咬合者では約800msec、骨格性下顎前突症症例では約1,000msec以上と長い舌運動時間を有する特徴を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
正常咬合者と骨格性下顎前突症患者の超音波測定装置による嚥下時舌運動の測定観察を行なっているが、まだ十分な観察数に達していないこと。観察途中で超音波測定装置のプローブの変更があり、それに伴いデータの分析が困難になったため、現在新しいプローブを用いて症例数を増やし、測定解析を行なっている。 しかし、当初の研究計画では正常咬合者と顎変形症症例の嚥下時舌運動について、ある程度の症例数が集まりそれぞれについて解析が進んでいる状態までを予定していたため、やや遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
正常咬合者と骨格性下顎前突症患者の超音波測定装置による嚥下時舌運動の測定観察を行なっているが、まだ十分な観察数に達していないため、全体的な特徴を検索できる段階には達していないと考えられる。今後はまず両群ともに例数を重ねていくことが第一である。 さらに骨格性下顎前突患者では術後群の測定、解析を行なうことにより術前後でどのような変化が起きているかを把握することができると考えている。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画では正常咬合者と顎変形症症例の嚥下時舌運動測定、解析がある一定数まで進んでいる状況までを予定していた。しかし進捗状況がやや遅れているため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は正常咬合者と顎変形症症例の術前群、術後群の嚥下時舌運動解析を症例数を増やすことにより、それぞれの特徴を明らかにしていく研究計画である。 その際に当該助成金では、やや遅れた研究計画を実施するために人件費・謝金等を使用予定である。翌年度分として請求した助成金は、27年度分の研究計画において使用予定である。
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