2015 Fiscal Year Annual Research Report
小児の口呼吸における関連因子の抽出と治療方法の確立
Project/Area Number |
25463193
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
石谷 徳人 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90343368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲田 絵美 鹿児島大学, 医歯学域医学部・歯学部附属病院, 助教 (30448568)
齊藤 一誠 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (90404540)
海原 康孝 広島大学, 大学病院, 助教 (60274106)
吉原 俊博 北海道大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (60261319)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 口唇閉鎖力 / アンケート / 顔面形態計測 / 口呼吸 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔機能不全は多因子が関与して発症すると考えられるため、診断、改善を図るにはその関連因子について検討する必要があるが、未だその解明には至っていない。口腔機能不全の中でも小児に頻発する口呼吸に着目し、口呼吸を誘発する関連因子の抽出、因子間関係を明確にし、顔面軟組織形態との関連性を検証した。 本研究では、全国の健康な未就学児および児童を対象として、口呼吸に関連するアンケートを行い、口呼吸を誘発する関連因子の抽出と、因子間関係の明確化を図った。同時に口唇閉鎖力と顔面軟組織形態を計測することで、アンケート項目と口呼吸及び口唇閉鎖力との関連性を解析した。 未就学児を対象とした調査の結果、アレルギー性疾患や鼻疾患が口呼吸の発症に関連があること、口唇閉鎖力は口呼吸の有無に影響を与える因子であることが明らかになった。また、小学生を対象とした調査では、口呼吸に関連する53項目のアンケートを実施し、互いに関連性の高い質問項目をグループ化した結果、第1因子:口唇閉鎖に関する因子、第2因子:鼻・のどに関連する因子、第3因子:飲食習慣に関連する因子、第4因子:口臭に関連する因子、第5因子:捕食・咀嚼に関連する因子、第6因子:歯・歯肉の状態に関連する因子、第7因子:唇の乾燥に関連する因子に分類された。さらに分類された7つの因子のうち、口唇閉鎖力との間に有意な相関を認めたのは、第3因子:飲食習慣に関連する因子および第5因子:捕食・咀嚼に関連する因子であった。以上の結果から、口呼吸や、口呼吸の関連因子である口唇閉鎖力に影響を及ぼす因子を抽出することができた。 さらに、未就学児を口呼吸群と鼻呼吸群に分類し、顔面軟組織形態を比較検討した結果、口呼吸群は鼻下点と上下口唇が突出していること、この傾向は3歳よりも早期に認められることが明らかになった。
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