2016 Fiscal Year Annual Research Report
Lysophosphatidic acid is involved in a cellular signaling of human periodontal ligament and tooth resorption
Project/Area Number |
25463196
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
岡山 三紀 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (30382500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田隈 泰信 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (40095336)
荒川 俊哉 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (40306254)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯根膜細胞 / リン脂質 / リゾホスファチジン酸 / 歯根吸収 |
Outline of Annual Research Achievements |
リゾホスファチジン酸はリン脂質から合成される脂質メディエーターの一つで、LPA1からLPA6の6種類のサブタイプを有するGタンパク質共役型受容体を介して、細胞増殖、血管形成,体毛形成などの様々な機能を誘導する。しかしながら,歯の移動時の歯周組織、骨リモデリング、歯根吸収でのLPAシグナルの働きについては十分に理解されていない。 そこで我々は、ヒト歯根膜線維芽細胞を用いてLPA受容体とLPA合成酵素の発現および細胞内シグナル伝達、またマウス歯胚におけるLPA受容体の発現とその分布について解析を行なった。 その結果、ヒト歯根膜線維芽細胞ではLPA1とLPA6の2つの受容体の強い発現とLPA合成酵素 lyso-PLDの発現が確認された。また、LPA刺激によりERK1/2のリン酸化が誘導されることが明らかになった。マウス歯胚においては、胎生14.5日齢でLPA5を除く全てのLPA受容体の発現が確認され、胎生18日齢で全てのLPA受容体の発現が確認された。更に歯胚組織でのLPA1受容体の発現分布では、in situ hybridization法により胎生12日齢で歯蕾形成途中の上皮と接する間葉に強い発現が認められ、この発現が胎生18日齢の鐘状期歯胚の咬頭頂付近と上皮のエナメル芽細胞分布部位にも観察された。 以上より、LPAシグナルは、歯牙の発生から歯根膜の細胞シグナル伝達までの歯周組織に広く制御に関わっていることが示唆された。
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