2014 Fiscal Year Research-status Report
歯周組織リモデリングにおける細胞の供給と移動そして分化の分子調節機構
Project/Area Number |
25463204
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
岡藤 範正 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50194379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (00366329)
中野 敬介 松本歯科大学, 歯学部, 准教授 (10325095)
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
川上 敏行 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (80104892)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯周組織 / リモデリング |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正学的メカニカルストレスによる歯周組織改造時における細胞動態について、病理学的視点から追究する事とした。病理組織学的に、メカニカルストレスを解除し3日経過した時の組織像は、牽引側で著明に細胞が増加していた。1週間経過したものでも、紡錘形の細胞が目立つ対照群と比較して、細胞の増加だけでなく、円形の細胞が新たに出現していた。これらの変化は、圧迫側と牽引側ともに確認することが出来た。牽引側では、対照群(AD±SD:10.37±8.69)に比べて、3日後では細胞が著しく増加し(35.46±11.85)、1週間後にはやや減少した(29.23±13.89)。しかし、対照群との比較では、大きく増加していた。一方、圧迫側では、対照群(15.26±8.29)との比較で、3日後には細胞の緩やかな増加(22.11±13.98)がみられ、さらに1週間後も継続しており(33.23±11.39)、対照群と比較しても明らかに増加していた。なお、これらはScheffe検定にて有意差が確認された。 歯科矯正学的メカニカルストレスは、牽引側、圧迫側ともに歯周組織における細胞数の増加を促進させる事が示唆された。これらの細胞数の増加は、歯根膜組織の局所において細胞分裂が起きたものではなく、何処か他の場所から細胞が移動して増加したものと考えられる。今後、これらの細胞数の増加が、何処からもたらされるかについて検討したい。また、増加した細胞の種類を特定し、細胞動態の全容解明を目指したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯周組織のリモデリングに関して各種の検討を行っており,その内歯科矯正学的メカニカルストレス付与じの歯周そしきのリモデリング時の細胞の動態を明らかにしつつある。その他,咬合性外傷時などについてもデータが集積しつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
歯周組織のリモデリングに関する研究はおおむね順調に進んでいるので,今後も現在の研究を遂行し,歯周組織構成細胞の移動,分化,そしてその動態などについて明らかにする予定である。その為には,研究計画に従ってGFP骨髄移植モデルマウスを使った細胞の動態を明らかに出来る実験系によるものを中心に最後の実験に進む予定である。最終的には今年度中に複数の論文として印刷公表したい。
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Causes of Carryover |
研究は順調に進行したため,多くの成果を得る事が出来た。その為,学会発表を多数する事が出来,また論文としても印刷公表する事が出来た。つまり,学会発表のともなう旅費と論文印刷経費が増加した。一方そのため,実験そのものに使う物品費は少なく済んだので,次年度に使用する金額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
繰り越しを含め,2015年度は最終年度でもあるので,昨年同様に実験に直接使用する物品費としての試用は少ないであろうが,研究発表のための旅費としての支出や,論文としての印刷公表経費として多く使う予定である。
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Research Products
(7 results)