2015 Fiscal Year Annual Research Report
歯周組織リモデリングにおける細胞の供給と移動そして分化の分子調節機構
Project/Area Number |
25463204
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
岡藤 範正 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (50194379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 美穂子 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (00366329)
中野 敬介 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10325095)
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
川上 敏行 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (80104892)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯周組織 / リモデリング / 咬合性外傷 / 細胞移動 / 細胞分化 / 修復 / 骨髄移植実験系 / 動物実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
「歯周組織リモデリングにおける細胞の供給と移動そして分化の分子調節機構」の研究課題にて,2015年度は順調に研究を遂行する事が出来,これらの主要研究成果の多くは学会発表や,論文として印刷公表する事が出来た。 すなわち,(1)外傷性咬合による歯周組織への影響については、十分な実証的研究が進展していない。そこで咬合性外傷を発症する動物実験モデルの開発により高度な骨吸収の成因に関与すると考えられる外傷性咬合の影響を検討した。外傷性咬合により惹起される咬合性外傷の根分岐部歯根膜における受傷部位では、細胞活性の亢進を伴う経時的な歯根膜の改造現象が実験4日から急激に誘起されることが示唆され、実験7日あたりから外傷が加わった歯の根分岐部歯根膜に対して骨髄由来細胞による破骨細胞とマクロファージによる修復機転が顕著にみられるのだと考えられる。よって、咬合性外傷を受けた歯周組織は、その部位の細胞および骨髄由来細胞により、組織適応が期待できると示唆された。 (2)歯科矯正学的メカニカルストレスによるマウス歯周組織改造時の細胞動態について、病理学的視点から追究した。歯科矯正学的メカニカルストレスは,牽引側,圧迫側ともに歯周組織における細胞の増殖を促す事が示唆された。GFPマウスモデルを用いた実験により,これらの細胞増殖は,歯周組織局所での細胞分裂により増えたばかりでなく,未分化間葉系細胞が骨髄から移動して増加したと推測される。さらに,蛍光免疫二重染色により,歯周組織に移動した骨髄由来の未分化間葉系細胞は,血管内皮細胞,マクロファージ,破骨細胞,歯根膜線維芽細胞等の歯周組織を構成する細胞へ分化したと考えられる。 その他,上記(1)の実験系に関してもHSPの歯と原によって細胞修復が分子調節されていることなどを明らかにする事が出来た。
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Research Products
(6 results)