2016 Fiscal Year Research-status Report
CTと顎運動,筋活動測定による矯正治療後の顎関節形態と顎機能の調和に関する研究
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25463205
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Research Institution | Matsumoto Dental University |
Principal Investigator |
山田 一尋 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (40182521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 裕次 松本歯科大学, 総合歯科医学研究所, 教授 (20190366)
田口 明 松本歯科大学, 歯学部, 教授 (70243582)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 下顎窩 / 顎運動 / 咀嚼筋 / 筋電図 / 咬合力 / 主機能部位 |
Outline of Annual Research Achievements |
関節窩および関節隆起は下顎骨の滑走運動時に機能的に咬合と関連し、臨床上重要視されている。顎関節への機能的負荷は顎関節の形態に影響し、その負荷は顎顔面形態、不正咬合で形態が異なる。矯正治療では不正咬合の治療により犬歯による誘導を確立することで,顎運動と咀嚼筋活動の協調性も変化することが報告されている。しかしながら,矯正治療後の咬合,歯列および顎運動と咀嚼筋活動の協調性の改善に伴う顎関節の形態学的な適応変化については明らかにされていない。そこで,矯正治療に伴う顎運動,筋活動の協調性,顎関節への負荷と顎関節形態の3次元的変化の関連を解明することを目的とした。 本年度は,治療前にデータ採取を行った骨格性下顎前突者25名中の20名の治療後の下記のデータを採取した。すなわち、1)解剖学的下顎頭点を用いた下顎運動と咀嚼筋筋活動の同時記録,2)咬合力、咬合接触面積の測定,3)主機能部位の評価による顎関節への負荷の解析,4)セファログラム解析とフェースボウトランスファー,5)歯科用CT撮影 のデータを採取した。これらのデータはエラーも無く,再現性のあるデータが得られている。 現在までの結果から、治療後Ⅱ級症例では、下顎頭運動の矢状面切歯路角の減少に伴い下顎窩後方斜面傾斜角が減少することが示され、咬合の改善に伴う下顎頭運動の変化に合わせて下顎窩で適応性の骨改造が示された。また、主機能部位は、下顎前突者では、下顎骨の前方位に伴い下顎第二大臼歯に見られたが、下顎枝矢状分割術による下顎骨の後退後には、正常咬合者と同様に下顎第一大臼歯に移動した。すなわち、手術による咬合と顔面形態改善後に、主機能部位も正常者と同様に下顎第1大臼歯に移動することが示された。今後、今まで得られたデータを学会発表する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在の研究の達成度は,「おおむね順調に伸展している。」すなわち,平成27年度まで治療前の不正咬合者(骨格性下顎前突者)25名のデータ採取を行った。平成28年度,これらの症例の20症例の術後のデータ採取を行うことができた.平成29年度は5症例を追加して、当初の予定取りほぼ12名のデータ採取を行うことが可能になると考えている.
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Strategy for Future Research Activity |
現在のところ,ほぼ順調に研究計画が進んでいる.平成29年度は、残りの治療後の被験者のデータを追加し、論文として発表したいと考えている.
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Causes of Carryover |
平成29年度は、最終年度で学会発表、論文発表を行う予定である。そのため、13,080円を次年度分に繰り越しした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
札幌で開催される第76回日本矯正歯科学会学術大会に参加する際の交通費に使用予定。
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Research Products
(4 results)