2014 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用を目指した固定源のための生体内吸収性メッシュ状オンプラントシステムの開発
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25463207
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
宮澤 健 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (60301636)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田渕 雅子 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30418925)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯科矯正学 / 生体吸収性 / オンプラント / 矯正用アンカースクリュー / BMP / CT |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科矯正治療を効率よく行うためには、歯を動かすだけでなく移動させたくない歯は動かないようにする必要があり、固定源を確保することが非常に重要と考えられる。本研究では歯槽骨の内部に埋入せず、骨表面に設置して固定を行う矯正用オンプラントシステムのうち、強固な固定が得られる骨形成因子(BMP)を複合化させ、生体内で吸収する骨膜下オンプラントの開発を目的とした。 本年度は吸収性高分子材料のモデルとして脱灰された抜去歯牙(DDM)を用い、欠損部での骨の修復にどのような違いがあるか検討を行った。具体的には、ウサギ膝関節に欠損部を作製し、DDMと、DDMに骨吸収抑制剤であるビスフォスフォネートを添加した2種類を埋植し、それぞれの骨と軟骨の構造を解析し、肉眼的評価と組織学的解析を行った。以上についてまとめ、論文を作成中である。 また将来ヒトに応用することを目的として、その植立部位を検討するために、現在矯正歯科治療で使用しているミニスクリュー装置についてフォースシステムと効果を検討した。具体的には上顎前突の患者を対象として、上顎前歯を舌側に移動する時、口蓋にミニスクリューを植立して持続的に固定力を発揮する群と従来型としてヘッドギアーを用いて固定とする群に分けた。以上の2群で治療期間と治療前後の変化について比較し検討を行った。その結果、上顎前歯を舌側移動する期間はミニスクリューを固定とする群の方が長かった。しかし、全体の治療期間については2つの群に有意な差は認められなかった。また、治療前後の変化はミニスクリュー群の方が大きかった。このことより、従来型よりもミニスクリューを固定とした矯正治療では全体の治療期間は変わらないが、治療後により良い変化が起きることが示唆された。以上の結果についてまとめた論文が掲載された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はウサギ膝関節部に骨欠損を作製し、吸収性高分子材料のモデルとして脱灰されたウシ下顎前歯を抜去後、完全脱灰を行った脱灰歯牙象牙質基質(DDM)を骨補填材として用いた。また、DDMに骨吸収抑制剤としてビスフォスフォネート製剤を添加し、ともに埋植し、骨補填材が骨軟骨修復能に及ぼす影響について引き続き検討を行った。方法としては、マイクロCTを用いた骨軟骨構造解析、組織学的解析では骨修復評価と軟骨修復評価について行った。また、肉眼的所見についても評価を行った。その結果についてまとめ、論文を作成中である。 また、オンプラント植立部位の選定にあたり、将来ヒトに応用することを目的として、実際臨床で使用している歯科矯正用アンカースクリューと従来型のヘッドギアーについて検討を行った。具体的には治療期間と治療結果の違いについて検討を行った。その結果について論文を作成し、掲載された。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、本年度より行っている吸収性高分子材料のモデルとして脱灰された抜去歯牙(DDM)と骨吸収抑制剤であるビスフォスフォネート製剤を用いた結果についてまとめ、論文を投稿する予定である。また、将来的にオンプラント体を設置する部位を選定するために、現在実際の臨床で用いられている歯科矯正用アンカースクリューを用いて、選定部位の1つである口蓋部の骨の厚さについて検討を行い、結果をまとめていく予定である。
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Causes of Carryover |
臨床的な植立部位の検討を行うための口蓋部についての診査が遅れ、達成できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は引き続き、高分子材料であるDDMとビスフォスフォネートによる欠損部での骨修復についての研究、また臨床的な植立部位の診断として口蓋部の厚みの計測を行うための研究に使用する予定である。
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Research Products
(3 results)