2013 Fiscal Year Research-status Report
破骨細胞前駆細胞に着目した咬合性外傷メカニズム解明のための基礎的研究
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25463220
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鵜飼 孝 長崎大学, 大学病院, 講師 (20295091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 宜興 長崎大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (60159100)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | TNFa / RANKL / osteoclast |
Research Abstract |
骨髄マクロファージ(BMM)をM-CSF存在下でRANKL刺激すると破骨細胞に分化する。またRANKLで刺激したBMMをTNFaで刺激すると破骨細胞形成が促進されることが報告されている。しかし、TNFaによる破骨細胞形成促進にどのようなRANKL前刺激が必要なのかは明らかになっていない。酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)は破骨細胞の重要なマーカーの一つである。そこでTRAPの発現に注目して、TRAP陽性単核細胞ならびに破骨細胞であるTRAP陽性多核細胞に分化させ得る、あるいはTRAP陽性にならないRANKLの刺激を受けたBMMにおけるTNFaの影響を調べることで、TNFa刺激により破骨細胞形成が促進される時のRANKL前刺激の条件を検討した。 M-CSF存在下72時間の培養において、RANKL 10 ng/ml刺激で多くの破骨細胞形成が認められた。ところが、96時間培養してもRANKL 1 ng/mlではほとんどがTRAP陽性単核細胞であり、RANKL 10 pg/ml以下ではTRAP発現も認められなかった。次に上記の各RANKL濃度でBMMを24時間刺激した後にTNFaを添加したところ、RANKL 1 ng/ml, 10 ng/mlの前刺激では多くの破骨細胞形成が認められたのに対し、RANKL 10 pg/ml以下では破骨細胞は形成されなかった。 今回の実験よりBMMにおけるTNFaによる破骨細胞形成促進には、BMMをTRAP陽性細胞に分化させ得る濃度のRANKL前刺激が必要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨髄マクロファージからの破骨細胞分化に関して、RANKL前刺激の影響を予定以上に検討できた。一方で、歯根膜細胞の解析が遅れている。全体的には順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後さらにRANKL前刺激による破骨細胞形成の研究を進めていく。平成26年度には論文にまとめる予定である。さらに細胞マーカーの研究を昨年度後半より開始できているので、これをさらに進めていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた歯根膜細胞を用いた研究が進められなかったので、それにかかる予定の経費が残った。また、細胞マーカーの検討のために多くの抗体を購入予定であったが、まだ一部しか購入していない。 繰り越しとなった経費は、上記の歯根膜細胞の培養研究ならびに細胞マーカー検出用の抗体の購入に使用する予定である。
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