2014 Fiscal Year Research-status Report
重度歯周病原細菌のnon-coding RNA検索とその動態
Project/Area Number |
25463230
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
平塚 浩一 日本大学, 松戸歯学部, 教授 (80246917)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 原核生物 / non-coding RNA / 歯周病 / 細菌 / 遺伝子発現 / 次世代シークエンス / 発現調節 / NGS |
Outline of Annual Research Achievements |
当初、昨年度に準備した次世代シークエンス用のRNA試料を業者に委託する予定であったが、質的な問題があることが判明し今年度に再び試料の取り直しを行った。 歯周病病原細菌であるRed complexに相当する3菌種のうちTreponema denticolaとTannerella forsythia2菌種 (Rorpyromonas gingivatisはすでに終了)に加え、歯周病との関連性が高いAggregatibacter actinomycettemcomitansに対して温度ストレス(45度、16度)、pHストレス(5.5, 7.5, 9.0)、酸素ストレス、および過酸化水素ストレスを細菌に与え、経時的に菌体を採取し全RNAを抽出した。ストレス負荷後15分の全RNA試料を等量ずつ合わせて10ugに調整し、続いてrRNAの除去を行った。その結果、菌種により23SrRNAと16SrRNAの除去の効率に特徴があることが判明した。全体的には全RNAのおよそ80%程度が除去された。本試料に対してBioanalyzerによる質的解析をおこなった結果、次世代シークエンスをかける上で問題のない質の試料であると確認された。 すでにシークエンスが終了しているP. gingivalisに関してはさらにnon-coding RNAの解析を進め、ゲノム上での位置の特定と発現量の確認を行った。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、昨年度に準備した次世代シークエンス用のRNA試料を業者に委託する予定であったが、質的な問題があることが判明し本年度は試料の取り直しを行うことから始めた。取り直しをするにあたり,嫌気培養装置内で研究に供する口腔内細菌の培養を行ったが、その培養状態が何がしかの理由で良くなく,RNA抽出を試みたところ,やはりインタクトな細菌RNAの精製が困難であったことが続いたが、その原因が残念ながらわからないでいた。業者の培養装置の不定期診断の際に原因が嫌気培養装置の老朽化のために、通常は考えられないカスホースの劣化による酸素の培養装置内にへの混入であることがわかった。次世代シークエンスにかける貴重な試料であり,また業者に解析を依頼するため極めて高額であるため、全菌種に対する全てのストレス負荷実験を再度やり直したことで、今年度中に次世代シークエンス試料の依頼ができなかった。また、全RNAの80-90%をrRNAが占めるため次世代シークエンスの試料としては全RNAからrRNAの除去をキットも用いて行うが、菌種によってはrRNAの除去効率が悪く、検討に時間を費やした。
|
Strategy for Future Research Activity |
次世代シークエンスを行う上で目的としていた高品質の細菌RNA試料は得られたので、直ちにその解析を業者に依頼する予定である。全体の計画が遅れ気味なため、効率を最優先で解析に当たる。そのために、企業ベースでリリースされている次世代シークエンス専用の解析ソフトの使用を考えている。解析はnon-coding RNAの特定をRT-PCRでおこない、その場所と長さの特定を試みる予定である。 また、本解析はnon-coding RNA解析と同時に,mRNA発現解析も同時に確認して,ターゲットとなるmRNA量に対してどの程度のnon-coding RNAが発現するのかを相対的に判定することを試み、両者の関連性を探る予定である。
|
Causes of Carryover |
当初、昨年度に準備した次世代シークエンス用のRNA試料を業者に委託する予定であったが、質的に問題があることが判明し今年度試料の取り直しを行った。試料は業者に次世代シークエンスにかけ解析を依頼するものでありそのコストは極めて高額であるため、全菌種に対する全てのストレス負荷実験をやり直して試料を取り直したことで、今年度内の次世代シークエンス試料の依頼が間に合わなかったのが主な理由である。また、全RNAの80-90%をrRNAが占めるため次世代シークエンスの試料としては全RNAからrRNAの除去をキットも用いて行うが、菌種によってはrRNAの除去効率が悪く、その検討に時間を費やしたことも依頼が間に合わなかった原因である。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
本使用額は次世代シークエンスの委託をするために、あらかじめ業者に見積書を作成してもらっており、あえて残しておいた金額である。良質なRNA試料が確認された段階で直ちに解析を依頼することで、企業との間での話が済んでいる。
|