2013 Fiscal Year Research-status Report
透析患者の歯科受診・受療行動に影響を及ぼす環境因子の解明と介入
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25463246
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉岡 昌美 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 准教授 (90243708)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 逸勢 (橘 逸勢) 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (30258610)
白山 靖彦 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (40434542)
日野出 大輔 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70189801)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 透析患者 / 口腔管理 / 受診・受療行動 / 環境因子 / 医科歯科連携 |
Research Abstract |
本年度はまず,透析患者の歯科受診・受療行動に関わる影響因子を明らかにすることを目的として、歯科口腔外科併設の病院で人工透析を受けている外来患者103名を対象に聞き取り調査を行った。調査項目は,かかりつけ歯科医院の有無,口腔症状の有無,定期的に歯科受診しない理由等であった。「透析しているからこそ口腔健康管理が大事と思う」者は26名であり,「透析とは関係なく口腔健康管理が大事と思う」者8名を含めても「口腔健康管理が大事」と思う者は34名(33.0%)にとどまった。口腔症状を全体でみると「口が渇く」が41.7%,「口臭がある」が32.0%,「粘るような不快感」を自覚する者も19.4%あった。かかりつけ歯科医は72.8%が「ある」と答えたが,「定期歯科健診を受けている」者は30.1%であった。また,「症状があるときだけ歯科医院に通う」者が56.3%,「最後の歯科受診が1年以内」の者が60.2%いることから,症状があるたびに歯科受診するものの,その後の定期管理には結びついてないことが伺えた。定期的に歯科受診しない理由としては「必要ない」,「めんどう」といった理由が多いことから,患者の関心や理解度が低いことも推察された。透析患者の口腔健康管理については,患者だけでなく透析患者に関わるすべての医療者に対して啓発を行う必要性が示唆された。 本年度は透析患者に対する調査と並行して、全国の透析医療機関を対象とした郵送によるアンケート調査も実施した。47都道府県で開設されている医療機能情報提供制度(医療情報ネット)で公開されている医療機関のうち人工透析を行っていると見られる医療機関(4,144の病院・診療所)に,歯科口腔外科の併設の有無や日常的な歯科との連携などに関する調査用紙を郵送し,返信にて1539通を回収した。現在、回収したアンケートデータについて集計中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「全国の透析病院への郵送法によるアンケート調査」と「透析患者に対するアンケート調査」を行い、現状把握することが、初年度の柱であった。前者の全国調査では当初1-2割の回収率を見込んでいたが、これを大幅に上回る回答率を得ることができたことから、データ収集という観点では、十分な成果が得られたものと考えている。但し、調査結果の集計および分析という点では次年度への持ち越しとなってしまった。一方、後者の透析患者に対するアンケート調査では、歯科併設の透析病院でのアンケート調査については集計・分析作業を進めているところであるが、歯科を併設していないクリニックでのアンケート調査については集計・分析するところまで至っていない。以上を総合的に考えて、おおむね順調に進展していると判断したものである。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に引き続いて透析患者に対する実態調査を行ったのち、調査結果を整理し、透析患者の歯科受療行動に影響を与える環境因子を分析し介入計画の試案を作成する。透析病院や透析患者に対する実態調査で得られた基礎的データをもとに、透析患者の歯科受療行動に影響を与える環境因子を明らかにする。このうち介入可能な因子について改善策を検討し、具現化に向けてハード面、ソフト面の介入計画の試案を作成する。試案作成においては、透析病院に併設している歯科の歯科医師、歯科衛生士、透析治療に携わっている診療スタッフはもとより、地域歯科医師会の歯科医師、当事者である透析患者をメンバーに含む検討委員会(仮称)を立ち上げ、実効性のある介入計画を練り上げる。 年度内に時間的余裕があれば、透析患者、透析病院スタッフ、歯科医療従事者に対する介入モデルの実践に移る。すなわち、検討委員会で作成した介入案を遂行する。具体的には徳島県内の透析患者を対象にソフト面での介入、透析病院スタッフや歯科医療従事者側に対するソフト面での介入、透析病院と歯科診療所の連携に関するハード面での働きかけを考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度はデータ収集および入力作業に多大な時間を費やし、本格的なデータ解析作業というところまでは至らなかった。従って、解析ソフトを搭載するための新たなパーソナルコンピューターとデータバックアップのためのハードを購入するための経費を次年度に持ち越すに至った。 実態調査結果の解析、および介入案検討の際の情報収集ツールとして、既存のWindows XP搭載コンピューターを更新し、新たにパーソナルコンピューターを購入する必要がある。平成25年度より持ち越した研究経費はこれを購入する経費として見込んだものである。その他、データ整理・媒体作成のための資料収集を担当する人員のための謝金や、媒体作成用文具類、検討委員会開催に関しての通信費、会議費等を研究費として使用する予定である。
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Research Products
(1 results)