2015 Fiscal Year Annual Research Report
透析患者の歯科受診・受療行動に影響を及ぼす環境因子の解明と介入
Project/Area Number |
25463246
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
吉岡 昌美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 准教授 (90243708)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井本 逸勢 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (30258610)
白山 靖彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (40434542)
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (70189801)
柳沢 志津子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 講師 (10350927)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 透析患者 / 口腔管理 / 歯科受診・受療行動 / 意識調査 / 透析実施医療機関 / 全国調査 / リーフレット |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度までに実施した透析実施医療機関の全国調査および透析患者の歯科受診受療行動に関するアンケート調査の結果を、日本透析医学会学術集会・総会および日本口腔衛生学会・総会にて発表した。また、これらの結果を踏まえた上で、透析患者の口腔管理を推進するための方策として、医療従事者向けおよび患者向けリーフレットを作成し、透析実施医療機関の医療スタッフ、歯科医療従事者、透析患者、3方向へのアプローチを試みた。 リーフレットは「血液透析患者の口腔管理For Medical and Dental Professionals」(A4版見開き8ページ)と「血液透析を受けられている方へ~伝えたい口腔管理のこと~」(A5版見開き4ページ)の二本立てで、医療者向けと患者向けの両方に“患者に伝えたい内容”が組み込まれており、人工透析に関わるあらゆる立場の人がコンセンサスを得られるように配慮した。 リーフレット配布の前に某透析実施医療機関の協力を得て、血液透析患者84名に対して口腔管理に対する意識調査を行った。その結果、9割以上が「口腔と全身との関連」や「口腔管理の重要性」を認識していたが、定期歯科受診している者は4割未満であることが分かった。また「血液透析患者は抜歯などの外科処置に配慮が必要」と認識している者は約6割であり、患者教育が不十分な点が抽出できた。 透析患者の口腔管理において受け入れ側となる歯科医療従事者の知識と考え方を標準化するべく、徳島県歯科医師会員の歯科診療所にリーフレットを郵送し、同時にご意見等を頂いた。その結果、歯科専門職にとっても知識の整理や確認のツールとして有用であることが示唆された。次いで、県内の透析実施医療機関にリーフレットを配布し、これを用いた患者啓発への協力を要請した。 今後は本研究の成果を、患者を中心とした医科歯科連携、スタッフ教育、患者啓発に還元したいと考えている。
|