2014 Fiscal Year Research-status Report
個人識別に最適化する歯式メタデータと歯式データベースに関する基礎的研究
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25463252
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丸山 陽市 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (50173969)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 歯科医療管理 / 個人識別 / 歯式データベース / 大規模災害 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科領域では電子カルテが普及していない状況であるため、診療情報のIT化による歯科情報の収集方法や大規模データベースの基礎的研究が行われていない。本研究では大規模歯式データベース構築に不可欠な、(1)歯式情報に最適な入力ツールの開発と評価(2)残存歯、処置歯を含む最新の口腔内情報を表現できる歯式メタデータの定義(3)歯式情報から個人識別を可能とするデータベース構造と検索アルゴリズムの確定と評価の3項目に関する基礎的研究を目的とする。 平成25年度は平成25年度設備備品であるサーバ(NEC・Express5800/GT110F-S)に設定するたに、SQLサーバソフト(Microsoft, SQL Server 2012)を導入することで、現有の歯科システムが稼働する環境を構築し、歯式入力ツールとしてタブレット型端末とスキャナによるOCR入力方式の開発を行い、平成26年疽では入力方式の評価を行った。その結果、OCR方式では歯の状態を示すパラメータ数が多くなったため、入力用紙が複数枚となり、臨床使用に適さないことが明らかになったため、平成26年度は平成25年度の研究成果から歯式入力にはタブレット型端末を使用することとした。平成26年度は新電子カルテへの移行時期であったため、歯式情報の入力機能は実稼働する電子カルテで実装し、XenAppによるアプリケーションサーバで動作する歯式入力ツールをタブレット型端末で表示し、仮想アプリケーション上でのタブレット型端末によるタッチ式歯式入力が実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度の計画では、歯の部位、欠損等の情報は、レセプト電算歯科システムの6桁歯式コードを用い、2桁の処置コードと咬合面、近心面等の部分を表す2桁の歯冠部分コードを追加した拡張歯式コードを歯式メタデータとし、歯式メタデータを10桁で定義する。この場合、1症例に対して、第3大臼歯を含む歯式情報のデータ数は320biteとなる。しかし、大規模災害を想定したとき、ビッグデータからの個人識別の可能性を考慮すると、平成27年4月1日時点での日本人口をカバーするには40Gbiteに対する検索ではレスポンスが遅いことが予測できる。そこで、予備的な検索が必要と考え、データ数を圧縮してインデックスとなるような個人識別データの作成が必要になり、データ構造の再検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
(今後の研究推進方策) 平成27年度計画では、歯式メタデータに対するデータベース構造を決定し、歯式データベースを構築する。現在、すでに臨床において初診時の歯式データは入力開始し、そのデータは電子カルテからデータウェアハウスのサーバへ送信し、蓄積している。このデータウェアハウスから口腔内情報を抽出し、作成したデータベースに対する検索アルゴリズムを確定するため、データベースサーバの強化を行う。 (研究計画の変更) 平成26年度の計画では、複数台端末の同時接続環境を構築するためにクライアント端末2台、タブレット型端末2台を増設してシステム評価を行う予定であったが、クライアント端末1台とタブレット型端末1台の増設に変更し評価を行い、平成27年1月には電子カルテに歯式入力システムを組み込むことに成功している。 (研究遂行上の課題) 個人識別データのインデックスとしては上下顎歯列の残存歯情報、補綴・保存の治療歴が利用できると考えている。欠損歯を0、残存歯を1、治療歴のある歯を2と定義すると、1口腔単位で32biteのデータ数であり、これを平成27年4月1日の日本全人口に適応すれば、人口1億2691万人に対して4.06112Gbiteとなるため、データ数の圧縮が今後の課題となる。今後は、さらにデータ数圧縮方法を推進する予定である。多進数によるデータ変換で1口腔単位を4bite、日本全人口に対して約1.14Gbiteで記述する方法について研究を行っている。
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Causes of Carryover |
現在構築している歯科システムはアプリケーションサーバで実行させ、リモートデスクトップクライアントAppsをインストールしたクライアント端末とタブレット型端末に仮想デスクトップとして表示することで、仮想デスクトップ上の歯式入力画面での歯式情報入力を可能にしている。平成26年度の計画では、複数台端末の同時接続環境を構築するためにクライアント端末2台、タブレット型端末2台を増設してシステム評価を行う予定であったが、クライアント端末1台とタブレット型端末1台の増設に変更し評価を行い、平成27年1月には電子カルテに歯式入力システムを組み込むことに成功している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度計画では、歯式メタデータに対するデータベース構造を決定し、歯式データベースを構築する。現在、すでに臨床において初診時の歯式データは入力開始し、そのデータは電子カルテからデータウェアハウスのサーバへ送信し、蓄積している。このデータウェアハウスから口腔内情報を抽出し、作成したデータベースに対する検索アルゴリズムを確定するため、データベースサーバの強化を行う。
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