2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の歯科医療・介護のニーズとディマンドに対応した新規の在宅サービスの開発
Project/Area Number |
25463256
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
福泉 隆喜 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (50275442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金久 弥生 神戸常盤大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (80582783)
花谷 智哉 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60649250)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 口腔機能 / 健康状態 / 介護予防 / 歯科医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度、26年度に引き続き、通所介護事業所を利用している高齢者を対象にコホート調査を実施した。今回は調査開始2年6か月後の帰結について調査したので報告する。 平成25年度のベースライン調査時の対象者数は67名、その3か月後の調査が実施できたのは58名、調査開始から2年6か月後の調査ができたのは22名であった。調査ができなかった36名の通所介護事業所利用中断理由の内訳は事業所の変更12名、通所利用困難11名、入院・入所5名、死亡5名、不明2名であった。 調査開始から2年6か月間、通所介護事業所の利用を継続した者と利用を中断した者を比較したところ、通所介護事業所の利用を継続した者では男性よりも女性が有意に多く(p=0.008)、利用を中断した者よりも機能歯数が多い傾向が認められた(p=0.096)。多変量解析(二項ロジスティック回帰分析)にて、通所介護事業所利用継続に影響する要因を分析したところ、性別のみが有意に影響していた(OR 0.175, 95%CI 0.039 - 0.798)。 これまで通所介護事業所利用者の長期コホート調査はほとんど行われていない。特に口腔との関連を検索した報告は認められない。今回の調査では、事業所の変更により調査を継続できなかった者が多かったことから、分析対象者数が少なく有意な結果は得られなかったが、単純解析にて通所介護事業所の利用を継続した者は中断した者よりも機能歯数が多い傾向が認められた。通所事業所においてペースト食など咀嚼機能や嚥下機能の低下者に対応した調整食を提供できる事業所は数%しかないという報告もあることから、歯科補綴治療による摂取可能な食形態の維持が通所事業所の利用の継続、すなわち在宅療養の継続に影響している可能性が示唆された。性別については多変量解析にて女性の方が男性よりも有意に通所介護事業所の利用を継続できていた。
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Research Products
(2 results)