2014 Fiscal Year Research-status Report
歯性感染症から分離される高病原性市中感染型黄色ブドウ球菌検出状況と分子疫学的解析
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25463260
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
広瀬 弥奈 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (10265077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 敦史 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (10453276)
村田 幸枝 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90455676)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 市中感染型MRSA / 歯性感染症 / 唾液 / 歯 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.菌株の収集と保存:前年度と同様に、引き続き菌株の収集と保存を行っている。具体的には、歯科検診時に唾液検査を行う際に、同意の得られた被験者の唾液サンプルの一部をマンニット食塩培地に播種後、37℃で2日間培養した。生育したコロニーの写真撮影後、黄色ブドウ球菌と思われるコロニーを選択し、血液寒天培地で1~2日間培養した。コロニーの写真撮影後、マイクロバンクに移し、-80℃で保存した。 2.患者属性の入力と管理:菌株の由来と患者属性を明らかにするために、対象者の性別、年齢、口腔内状況(う蝕歯数、う蝕細菌数、唾液分泌量、pH、緩衝能、各種無機イオン濃度)を調べ、それらのデータをExcelファイルに入力した。また、アンケートを実施し、全身疾患の有無や服用薬等の既往を聴取し集計した。 3.病原性の検出された感染歯の状態を対象サンプル(健全歯)と比較するため、SEM、EPM、マイクロPIXE/PIGE装置等を使用して成分分析を行うことを追加した。 4.今後の計画:更に収集を継続するとともに、市中感染型MRSAの検出状況を明らかにするために、分離された株からSCCmec型、コアグラーゼ型を分析し、Panton-Valentine Leukocidine(PVL)の検出状況を調査する予定である。結果を学会で発表し、論文作成を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常者の保菌状態については、保育所、幼稚園の小児を対象とした唾液サンプルからの菌株の収集と保存が進行中であり、現在までに600名分を培養したが、歯性感染症のサンプルの収集に時間を要しており、今後更に継続していく予定である。また、病原性の検出された感染歯の状態を対象サンプル(健全歯)と比較することとし、SEM、EPM、マイクロPIXE/PIGE装置等を使用して成分分析を行うことを追加したため。
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Strategy for Future Research Activity |
更に菌株の収集・保存を継続するとともに、市中感染型MRSAの検出状況を明らかにするために、分離された株からSCCmec型、コアグラーゼ型を分析し、Panton-Valentine Leukocidine(PVL)の検出状況を調査する予定である。PVL陽性株についてはMLST解析を行い、世界のどの地域で報告されたPVL陽性MRSAの系統かを明らかにする。歯性感染症のサンプルについては、収集先を拡大して対処する。
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Causes of Carryover |
菌株の収集・保存を継続中であるため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度消耗品(主としてPCR関係)に使用予定である。
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