2015 Fiscal Year Annual Research Report
歯性感染症から分離される高病原性市中感染型黄色ブドウ球菌検出状況と分子疫学的解析
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25463260
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
広瀬 弥奈 北海道医療大学, 歯学部, 准教授 (10265077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 敦史 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (10453276)
村田 幸枝 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (90455676)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | MRSA / 小児 / 唾液 / MLST解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児唾液由来菌株526株からDNAを抽出後、黄色ブドウ球菌特異的プライマーを用いて16sRNA、 nuc、 mecA、 PVL 、ACME-arcAの陽性/陰性を確認した。nuc(+):(MSSA、MRSA)についてはコアグラーゼ型別、mecA(+)についてはSCCmec型、 arcA(+)についてはACME型別分析を行なった。nuc(-):(CNS)については、菌種の同定をPCRおよび生化学的試験を用いて行なった。次いで、mecA(+)のすべてとMSSAの一部を対象に、薬剤耐性テストと薬剤耐性遺伝子の検出、MLST解析を行なった。 その結果、526株中ブドウ球菌は254株検出され、そのうちmecA 陽性を示したのは、S.aureus(MRSA)が9/147株(6.1%)、S.epidermidisが48/89株(53.9%)、 S.waneriが1/12株(8.3%)、 S.haemolyticusが0/4株、 S.hominisが0/2株であった。SCCmec型別は、Ⅳが82.8%(48/58)、Ⅴが8.6%(5/58)、No Typableが19.0%(11/58)で、菌種別にみるとS,aureusではⅣaが1、Ⅳc、Ⅳl、Ⅴ、NTが各2、S.epidermidisではⅣaが20、ⅣcとⅣdが5、Ⅳgが1、ⅣのNo Typableが11、Ⅴが3、NTが9であった。ACME(+)はS.epidermidisにのみ認められ、mecA(+)ではⅠが7、ΔⅠが2、Ⅱが1、(-)ではⅡが7、NTが4であった。PVL(+)は認められなかった。コアグラーゼ型は、MRSAではⅡaが44.4%(4/9)と最も高く、ⅠaとⅢaが22.2%(2/9)、Ⅶbが11.1%(1/9)であったのに対し、MSSAではⅣaが22.5%(31/138)、Ⅶbが18.8%(26/138)、Ⅹaが12.3%(17/138)、Ⅴbが10.1%(14/138)、Ⅲaが9.4%(13/138)の順であった。MRSAのMLST解析では、ST1、ST5、ST8、ST89、ST120が検出され、ST8のうちSCCmec type Ⅳlを示す新型が2株認められた。
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