2013 Fiscal Year Research-status Report
未熟児の摂食・嚥下機能の評価 ‐4次元超音波装置を用いた検討‐
Project/Area Number |
25463262
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
弘中 祥司 昭和大学, 歯学部, 教授 (20333619)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 尚道 岡山大学, 大学病院, 助教 (10407546)
渡邊 賢礼 昭和大学, 歯学部, 助教 (20611180)
林 佐智代 日本大学, 歯学部, 講師 (40343579)
佐藤 秀夫 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40507125)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 超音波エコー装置 / 摂食嚥下機能 / 非侵襲 / 四次元解析 / 舌機能 / 成人 / 舌背面 / 画像解析 |
Research Abstract |
【目的】研究代表者の弘中と研究分担者渡邊は平成22年度において、摂食・嚥下器官の描出方法を2つの平面に対して報告を行った。矢状角・仰角はそれぞれ30度において、嚥下器官が容易に観察できることを報告した。本年度の研究は本学現有の超音波エコー装置を用いたものであるが、エコー画像のように判別は熟練が必要であった。25年度は、この研究からさらに1つの平面(水平面)を追加することによって四次元的に評価を行った。(研究協力者:石田圭吾・村上浩史(大学院)) 【方法】模擬薬剤としてゼラチンまたはヒプロメロース(HPMC)#0号カプセル(21.8㎜×7.32㎜)と、直径9㎜×高さ9㎜の円柱状の素錠を製菓を用いて家庭用卓上打錠機で作成した。カプセルについては基剤と充てんする中身による画像の状況を、錠剤については単独または水,服薬用ゼリー,トロミ付きの水等で服用した際の画像の状況を観察した。USはGE社製、VolusonE8(周波数:10Hz、探触子:4D画像用のコンベックス型RM6C探触子)を用い、1試料につき3回計測を行い、US画像で舌背面の描出画像を検討し、同時に試料の大きさも計測した。 【結果】カプセル剤ではHPMCカプセルに服薬ゼリーを入れて水で飲んだ場合が、錠剤では用いた飲料が服用ゼリーの場合が最も鮮明度が高かった。被験者間で鮮明度に差はみられなかった。また、服用から嚥下までの評価では、口腔期は試料を追尾可能であったが、喉頭蓋部で舌骨の陰影下に入り、咽頭残留は確認が難しいと思われた。 【考察】今回の結果から、患者が服用する薬の剤形が決まっていれば、服薬模擬検査としてUS検査を実施することの有効性が示唆された。US検査は侵襲がなく何度でも行えるため、次年度はは、異なる大きさの様々な剤形を用い、より簡易なUSで再現性を検討してみたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究予定を行った当初よりも、装置に対する熟練度が上がっているため、四次元解析が簡便になっている。しかしながら、四次元解析を行う際の画像の鮮鋭度がスペックよりも低かったため、三次元構築がどの程度詳細に反映されるか、模擬薬(錠剤)を用いて検討を行った。直径9㎜×高さ9㎜の円柱状の素錠を製菓を用いて家庭用卓上打錠機で作成したものと、カプセルについては基剤と充てんする中身による画像の状況を、錠剤については単独または水,服薬用ゼリー,トロミ付きの水等で服用した際の画像の状況を観察した。USはGE社製、VolusonE8(周波数:10Hz、探触子:4D画像用のコンベックス型RM6C探触子)を用い、1試料につき3回計測を行い、US画像で舌背面の描出画像を検討し、同時に試料の大きさも計測したところ、誤差精度が1~3mmと比較的大きく写ったため、測定方法を改善し、現在では、測定誤差が1~1.5mmまで減少している。 低年齢児に測定を行うためにはこの計測精度を最小限にしないといけないため、次年度にむけていま少し計測方法の推敲が必要と考えている。 また、撮像やデータ保存に関しては習熟度が上がっており、計測時間が短縮されているため、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の検討はプローブ角度から、4Dにおける最適断面の導出(自在に切り出せるSTL(ポリゴン)画像から、最適断面の導出)を出すことにある。CT画像の装置には自動的に立体構築するソフトが付属しているが、超音波エコー装置には本ソフトは付属していない。ただ、立体構築を行うツールとしては入っているが市販のDICOM Data変換ソフトMimics RPならびに、連携研究者:青木(慶應大学理工学部)から考案してもらう画像処理によって、超音波エコー画像の四次元構築を行う。 また分担研究者の村田は、過去に舌の3次元構築化に成功しており、モーターによるセクタ探触子の体幹軸に対する走査を行い研究協力者:石田圭吾・村上浩史(大学院)らともに、さらに20名分の画像構築を行い、STL(ポリゴン画像)として、解析可能かどうか、検討する。STL化が難しい場合には、DICOM画像そのままの立体動画を作製することによって、画像切断面に画素の減少が生じるが、解析可能な状態である。本方法を用いて、画像解析精度をさらに高める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入器材がバージョンアップするのを待っていたため、本年度に購入する事が出来ませんでした。そのため、既存の機械にて計測を進めておりました。 次年度の備品購入に上乗せしたいと考えている。
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Research Products
(2 results)