2015 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の効率的歯科介入ニーズ評価法を用いた歯科と多職種連携栄養サポートプログラム
Project/Area Number |
25463280
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Research Institution | National Institute of Public Health |
Principal Investigator |
守屋 信吾 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (70344520)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 宏子 国立保健医療科学院, その他部局等, その他 (10183625)
越野 寿 北海道医療大学, 歯学部, 教授 (90186669)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢者 / 咀嚼能力 / 栄養 / 多職種 |
Outline of Annual Research Achievements |
地域高齢者では、歯科治療ニーズについて口腔保健行動や生活習慣の状況から一次スクリーニング可能であることが示された。さらに、歯科治療ニーズのある者では、管理栄養士により評価した栄養摂取状況(料理の状況、食材種類数、食品群別摂取状況)が損なわれていた。 地域高齢者331名をスクリーニングすると、100名に歯科治療ニーズがあり、内訳は歯周病60名(60.0%)、義歯52名(52.0%)、カリエス8名(8.0%)、冠橋7(7.0%)であった(重複有り)。この者に、歯科受診の必要性を説明し受診勧奨を行い、1年後に評価した結果、44名(44.0%)が歯科を受診した。受診者では清掃状態や歯周病は有意に改善したが、咀嚼能力では有意な変化はなかった。 栄養摂取状況については、管理栄養士により料理の状況(主食・主菜・副菜の状況:0-6点)、一日の摂取平均食材種類数を評価した。体力については、握力、開眼片足立ち秒数を比較した。料理の状況は受診者で、受診前1.5、受診後1.7(p=0.559)と有意な変化はなかった。一日の摂取食材種類数は、受診前14.0、受診後15.3(p=0.058)と有意差はなかったが改善傾向がみられた。未受診者では、料理の状況、摂取食材数に改善傾向はなかった。握力、開眼片足立ち秒数の変化はなかった。 歯周病の改善は有意だったが、咀嚼機能は十分に改善しなかった。新義歯を作製しても、違和感や痛みのため使用しない者が多くいたためと考えられた。また、天然歯による咬合支持を喪失し、咬合機能の回復が難しい症例が多く含まれていたためと考えられた。咀嚼能力が低下した者では、食事摂取状況に課題がある者が多いため、歯科的アプローチに加え栄養指導の併用が必要であると考えられた。地域高齢者において歯科介入ニーズ評価を行い、多職種協働による栄養サポート体制構築の重要性があらためて示唆された。
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Research Products
(7 results)