2015 Fiscal Year Annual Research Report
病院における患者・家族の暴力に対する医療安全力を高める体制の醸成
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25463288
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
三木 明子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (30315569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 修一 聖徳大学, 看護学部, 教授 (00566614)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 患者の暴力 / 医療安全 / KYT研修 / 暴力の対応 / 院内暴力対策 / 職員教育 / 警察OB |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、①暴力防止啓発ポスターに関する病院職員のニーズ調査、②医療安全研修ならびに看護管理職研修での実態調査、③患者・家族からの暴力の実態調査を実施した。 暴力防止啓発ポスターのニーズ調査(①)では、昨年度新規に作成した4種類のポスターを追加し、10種類のうち、患者・家族の暴力防止に有用と考えるポスターを1つ選定するように依頼した。全国25ヵ所(岩手、宮城、山形、東京、千葉、神奈川、茨城、栃木、長野、山梨、京都、滋賀、兵庫、岡山、福岡)で実施した研修参加者は2436名(回収率93.2%)で、最も多かったのが視覚的に暴力を示したポスター6(503名;20.6%)で、刑法が明記されているポスター1(411名;16.9%)、パトカーのイラストがメインのポスター9(273名;11.2%)の順であった。宮城・神奈川・山形の医療安全研修会の参加者240名(回収率87.9%)の調査(②)では、院内暴力対策の実施率で高かったのは発生時の警察への通報体制で62.5%、次に対応マニュアルの作成57.9%であった。また、全国10ヵ所の研修に参加した看護管理者362名(回収率85.0%)の調査(②)では、組織対応で実施率が高かったのは警察への通報体制84.8%、暴力のマニュアル作成81.5%、担当部署の設置80.9%、発生事例の記録76.2%、医療機関受診・カルテ作成73.5%、職員研修69.3%であった。10病院の看護師2338名(回収率81.0%)を対象とした暴力の実態調査(③)では、患者や家族から負の感情をぶつけられるストレスがあると回答した者は64.3%(1372名)であった。 2014年10月29日に自己学習用に配信したYou tube(研究成果を含む50分の講演内容を収録)は、2016年4月24日の時点で視聴回数は1758回であり、病院職員用の暴力に関する教育内容としては、高い視聴回数である。 研究分担者は、刑務所でのヒアリング調査の報告を含めて「矯正護身術と医療安全における暴力対策」についてまとめた。
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Remarks |
①暴力防止啓発ポスター10種類ならびに暴力のKYT場面集を掲載。ダウンロード可。②暴力防止啓発ポスター6種類と解説を掲載。③医療機関における暴力防止対策の講演を収録し、You tubeで配信。研究成果である暴力防止啓発ポスターおよび暴力のKYT場面集を紹介。
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Research Products
(17 results)