2014 Fiscal Year Research-status Report
対患者コミュニケーションにおける「聴く技術の自己評価ツール」の開発
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25463295
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
杉浦 浩子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (60252152)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 精神看護 / コミュニケーション / 聴く技術 / 自己評価ツール |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度に作成した『聴く技術の自己評価ツール』のコミュニケーション場面が,聴く技術を評価できるものであるかどうかを確認するために,学生72名を対象としてプレテストを実施した。作成した場面は5場面であったが,そのうちの1つは,回答にばらつきがあまりなく,誰もが同じような情報を取得し,同じような思いを持つことがわかり,調査には不適切であると判断した。しかし残りの4つの場面では回答にばらつきがみられ,個人の聴く技術を反映することができるのではないかと考えられた。また,それぞれの回答の詳細を分析したところ,申請者が期待する情報の取得と情報処理が行われていることが確認でき,それらを基準回答として,自己評価の基準に設定することができると判断した。 次に,現場で働く看護師を対象に調査を実施し,『聴く技術の自己評価ツール』による評価と普段のコミュニケーション技術の評価が一致するかどうかを検証した。普段のコミュニケーション技術の評価は,プロセスレコードを用いた場面再構成法とした。対象者は岐阜大学附属病院で公募を行い,17名の協力が得られた。『聴く技術の自己評価ツール』は4場面について回答してもらい,プロセスレコードは3場面を記述してもらった。記載漏れがあった1名を除き,16名を分析対象とした。その結果,『聴く技術の自己評価ツール』で,取得する情報量が少ない人は情緒的理解に乏しく,それはプロセスレコードの分析でも同様であった。しかし,取得する情報量が多い人については,情緒的理解ができる人もいれば,分析的理解に偏っている人もおり,さらに,それがプロセスレコードの分析結果と一致する人もいれば,一致しない人もいるという結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
看護師の調査は,30名を予定したが,公募により17名しか集まらなかった。また,17名の調査も,1~2ヶ月間で終了する予定であったが,調査時期が繁忙期であったこともあり,調査の終了までに3ヶ月余を有した。16名について一旦分析はおこなったが,16名のデータでは信頼性が確保できないと考え,再公募する予定である。そのため,研究の進捗状況はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
看護師調査を再公募により実施し,あと10~15名を確保する予定である。その調査が終了次第,分析を行う。その後,グループ面接により,自己評価ツールの使い勝手や利用価値について意見を聴取する計画であったが,同じ部署の対象者が多く,グループ面接の設定が難しいため,個別の聞き取り調査に計画を変更する。調査内容は,心理的な部分の質問ではないため,グループ面接を個人面接に変更しても,得られるデータに違いはないと考える。
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Causes of Carryover |
看護師調査で協力いただいた対象者に謝礼(図書カード)をする予定であったが,看護師調査が完了しなかったために,その分を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
看護師調査の対象者への謝礼および学会発表のための旅費に使用する。また,予定にはなかったが,作成したツールの回答欄に使いづらさがあるため,その調整を行うために支出する予定である。
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