2016 Fiscal Year Research-status Report
日本人看護学生へのクロスカルチュルナーシングプログラムの構築とその評価
Project/Area Number |
25463297
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
入山 茂美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (70432979)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 異文化看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、平成27年度にフィリピン看護学研修を実施した学生から得たデータ結果をまとめ、「日本人看護学生のフィリピン産科施設での学習体験に基づく事前学習の検討」として、母性衛生学会で発表を行った。さらにフィリピン看護学研修の内容を吟味し、平成28年度のフィリピン看護学研修では、コミュニティーでの看護学生の活動やコミュニティベースと病院ベースにおけるケアの違いも検討できるように、バランガイにあるヘルスセンターでの産科施設と病院施設の研修を取り入れた。研修を受けた看護学生からは、コミュニティのヘルスセンターでは、乳児へのワクチンの投薬を通して、母親の不安の緩和や必要な知識の提供を実感し、日本人と同様に寄り添うケアの重要性が理解できたという反応があった。また、分娩第一期の産婦の観察を通して、陣痛発作時には身体に力が入ったり、物を掴む手の力が強まったり、足をもぞもぞと動かしている様子が見られ、言葉に頼らず、観察をすることにより、相手を理解する重要さを認識していた。別の学生は言葉の壁を感じながらも、陣痛が来ている産婦にジェスチャーを交えながら、どうしてほしいのか教えてほしいと産婦に伝え、産婦が学生の手を産痛部位にあててくれたことにより、痛みの部位を理解し、ケアに繋げることができていた。フィリピンの看護学生と家庭訪問に行った学生は、人々の生活を最大限尊重した保健指導を行うことは日本でもフィリピンでも共通して重要であると認識していた。これらの学生のケア実践から得られた情報は、異文化看護のプログラムに繋がるとして、現在まとめている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備調査での情報をまとめて、質問項目の検討を行ってきたが、さらに看護学研修を受けた学生が実感した異文化看護の視点を活用した質問内容を検討に時間がかかったため、調査にすすむのが遅れた。
|
Strategy for Future Research Activity |
海外で看護学研修を受けた学生が実感した異文化看護の視点を活用した質問内容がまとまってきたため、今後、異文化看護における他者理解・自己理解に関する調査を行い、分析し、論文としてまとめ、報告書を作成していく。さらに、看護学生に有益となる異文化看護のプログラムの内容の検討を調査結果から行っていく。
|
Causes of Carryover |
情報収集のための海外出張や成果発表の学会参加が1回程度となったため
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後、調査の結果の発表の為に学会参加や報告書作成などに使用していく。
|