2017 Fiscal Year Annual Research Report
A study on development of cross-cultural nursing program in Japanese nursing students and the evaluation
Project/Area Number |
25463297
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
入山 茂美 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 教授 (70432979)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 異文化理解 / 他者理解 / 自己理解 / 海外看護研修 / 異文化看護 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、①日本人看護学生の異文化受容態度が自己理解や他者理解に及ぼす影響の検証②看護学生の異文化受容態度に影響する要因の検証③フィリピン大学看護学部の協力を得て、フィリピン看護学研修を行い、異文化受容態度や他者理解を高める効果的なプログラムについて検討の3点を目的に実施した。 ①と②の目的のため、看護学生への無記名自記式質問票調査を実施した。522部の質問票を配布し、256部(回収率49.0%)を回収、有効回答は253部(有効回答率98.8%)であった。①の結果では、異文化受容態度得点が高い学生は、他者理解得点も高かった。しかし、異文化受容態度は自己理解とは関連がなかった。他者理解得点が高い学生は、自己理解得点も高かった。②の結果では、看護学生の異文化受容態度得点が高い学生は、旅行以外で海外滞在経験がある、外国人の看護ケアの経験がある、海外で看護研修を受けた経験があるであった。また、海外での看護研修希望が強い学生、外国人看護師との協働希望が強い学生、海外で看護職として就労希望が強い学生、異文化看護を学習希望が強い学生ほど、異文化受容態度得点は高かった。 ③の目的のために、フィリピン看護学研修に参加した学生3名に研究参加前と参加後に質問票調査を実施した。その結果、3名全員の学生がフィリピン看護学研修参加前の異文化受容態度の得点より、参加後の得点は高くなった。他者理解の得点は、2名が参加前より参加後に得点が高くなった。1名は同じ得点であった。 以上の本研究の結果より、看護学生の異文化受容態度は他者理解に影響し、その異文化受容態度は、海外での看護研修や外国人の看護ケアに影響を受けることが示唆された。サンプル数は少なかったが、フィリピン看護学研修により、異文化受容態度や他者理解が高まったことから、このような海外看護学研修は異文化理解を向上させる可能性があると考えられる。
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