2013 Fiscal Year Research-status Report
視覚障害患者への情報保障:適切な点字医療文章表現と文章自動変換プログラムの研究
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25463299
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
池上 峰子 神戸大学, 医学部附属病院, 看護師 (80379453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 裕 神戸大学, 医学部附属病院, 准教授 (20332281)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 看護学 / 医療・福祉 / 情報工学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、視覚障害を有する患者が理解しやすい点字の医療文書提供の実現である。通常の漢字仮名混じり文を単純に点訳した場合、点字が表音文字であるために文字数が増大し文書量が過大になる。また、同音異義語や敬語は点字が表音文字であるが故に、理解を妨げる可能性がある。そこで、点字文書に最適な文章表現の解析、点字文書向け表現に自動変換するプログラムの研究開発、を実施する。 今年度は、患者用クリニカルパスの点字化のための文章表現変換プログラムの研究と試作したプログラムの問題点を解明した。患者用クリニカルパスに着目した理由は、2013年に成立した「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」で視覚障害者への「合理的な配慮」が求められることが予想され、患者に手渡す文書として重要と考えたからである。文章表現変換プログラムの作成では、既に人間が点訳用に簡略化した文章の解析を基に、プログラムへ実装する文章表現の変換規則を作成した。その際、変換規則の適用基準も決定した。プログラムへの実装後に、その変換精度を解析した。その結果、誤変換とされたが正解と判定すべき文章変換があった。現状の変換規則は不充分であり、今後は変換規則抽出対象を拡大して正確な規則を抽出する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究遂行過程で、文章表現変換プログラムの誤変換の解析の必要性が判明し、研究に有用な知見を得た。加えて、本研究の成果の一部を2013年11月の第14回日本クリニカルパス学会学術集会で発表し、第14回学術集会優秀賞、同 座長賞を受賞するなど、学術的にも高く評価された。
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Strategy for Future Research Activity |
文章表現変換プログラムの誤変換の解析を継続し、正解と判定すべき文章変換を精査する。そしてプログラムの誤変換の原因を明らかにし、必要に応じて変換規則の修正や追加を行う。また、我々が作成した医療文書コーパスを用いて文章表現変換規則を抽出し、文章表現変換プログラムに追加実装する。そして、変換後の文章表現が視覚障害者に理解しやすいか否かを解析する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
参加した学会の中で、開催地域が当初想定していた地域と異なる学会があり、国内旅費にかかる費用が少なくなったため。 研究支援者を雇用し、研究成果の発表・関連研究の情報収集のための旅費やその他消耗品等で研究費を使用する予定である。
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Research Products
(5 results)