2013 Fiscal Year Research-status Report
看護実践能力育成モデルの構築:先行・帰結因子の探求
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25463303
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高瀬 美由紀 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 准教授 (50437521)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏生 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 教授 (20251069)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護実践能力 / 離職意思 / 職務報酬 / 心理的契約 / 消耗感 |
Research Abstract |
研究目的:本研究の目的は,看護実践能力が看護師の離職意思に与える影響とその過程を探求することであった。 研究方法:中国地方の4病院に勤務する看護師・助産師,計1337名を対象に質問紙調査を実施した。データは共分散構造分析を用いて検証した。 結果:合計で766名の対象者から質問調査紙が返送された。分析の結果,看護師の自己評価による看護実践能力が低いと,看護師の離職意思が高くなる傾向を示された。また,看護実践能力が離職意思に影響を与える過程として,次の関係性が明らかになった。自己の看護実践能力を低く評価した対象者は,組織から得る職務報酬も少ないと感じる傾向が示された。また職務報酬が少ないと,対象者は心理的契約の充足を感じることができず,また現組織での自己発展の機会も少ないと感じる傾向にあった。更に,自己の看護実践能力を低く評価した対象者は,職務を通して感じる消耗感を高く評価していた。そして,心理的契約の不充足感と自己発展の機会が少ないと感じる対象者,及び消耗感を感じる対象者は,組織に対する愛着が小さく,そのため離職意思が高い傾向にあることが示唆された。 研究意義:看護実践能力が看護師の離職意思に与える影響過程が明らかになれば,新卒看護師など,看護実践能力が発達段階にある看護師の離職を防止するための効果的な対策が考案できると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画通りに,平成25年度の調査が終了したため。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,看護実践能力の評価方法についてさらに検証する予定である。特に,看護実践能力評価における自己-他者評価の整合性について検証し,次年度の研究につなげたい。 平成27年度は,看護実践能力育成に貢献すると思われる因子を探求し,モデルを構築する予定である。また,モデル検証に必要な尺度を開発し,看護実践能力育成モデルの検証につなげたい。 平成28年度は,引き続きモデル検証のためのデータ収集,データ解析及び結果の発信に努める予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度も引き続き調査を行う予定であるが,平成26年度予算配分額が少なかった為,平成25年度分予算の一部を平成26年度に回すこととした.平成25年度予算が残った理由は,予算として計画にあげていた,質問紙保管用のキャビネットの購入を差し控えたり,人件費の使用を差し控えたためである。 残金として残された予算に関しては,平成26年度調査費,英論文執筆のための英文校正費,及び元来購入が必要であった質問紙保管用のキャビネット購入代等に充当する予定である。
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