2014 Fiscal Year Research-status Report
看護実践能力育成モデルの構築:先行・帰結因子の探求
Project/Area Number |
25463303
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
高瀬 美由紀 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 准教授 (50437521)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 敏生 広島大学, 医歯薬保健学研究院(保), 教授 (20251069)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 看護実践能力 / 学習経験 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的:本研究の目的は,①看護師の学習経験を測定する尺度を開発し,その信頼性と妥当性を検証すること,そして②看護師の学習経験度と看護実践能力との関係性を経験年数別に検証することであった。 研究方法:中国地方の2病院に勤務する看護師及び助産師954名を対象に,質問紙調査を実施した。 結果:合計で502名の看護師から回答を得た。学習経験尺度の構成概念妥当性を因子分析と既知グループ法によって検証した結果,尺度の構成概念妥当性が確認された。最終版学習経験尺度は5因子(「省察を通した学習」「実践を通した学習」「フィードバックによる学習」「他者からの学び」「研修参加を通した学習」)20項目から構成された。また,最終版学習経験尺度は十分な内的整合性を保持していることが確認された。 臨床経験5年以下と6年以上に対象者を分け,学習経験度と看護実践能力の関係を重回帰分析で検証した結果,以下の類似点と相違点が明らかとなった。両群とも「省察を通した学習」が看護実践能力に関連していることが確認された。上記以外に,臨床経験5年以下群では「実践を通した学習」と「他者からの学び」が,臨床経験6年以上群では「フィードバックによる学習」と「研修参加を通した学習」が,看護実践能力に関連していることが確認された。 結論:学習経験尺度は信頼性と妥当性を兼ね備えた尺度であることが確認された。また,学習経験度と看護実践能力の間には正の相関関係が存在し,またその関係性は,臨床経験年によって異なることが明らかとなった。看護師の看護実践能力を高めるためには,経験年数に応じた学習方法を促進していくこと,または促進できるような職場環境整備が肝要であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに、看護実践能力の先行因子の一つとして期待される職場における学習経験度を測定するための尺度開発を行った。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画に変更はなく、今後は更なる看護実践能力の先行因子を探究するべく、概念モデルの構築とそれを検証するための質問紙調査を実施する予定である。
|
Causes of Carryover |
予算に計上していたデータ保管用キャビネットを未だ購入していないため余剰が生じた。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記データ保管用キャビネットを購入予定である。また統計ソフトのアップグレードに使用予定である。
|
Research Products
(4 results)