2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25463315
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
石川 陽子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (40453039)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小柳 志津 首都大学東京, 国際センター, 准教授 (20376990)
成瀬 和子 東京医科大学, 医学部, 教授 (70307122)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 外国人看護師 / インドネシア / 異文化適応 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は国内外のインタビュー調査を実施した。 海外調査では、インドネシア大学に研究協力者を得て日本でEPA(経済連携協定)により看護師候補者または看護師として就労した経験を持つ16名のインドネシア人看護師にインタビュー調査を実施した。分析段階ではあるが異文化適応に関し、1)日本語能力が異文化適応を助ける、2)職業規範の違いを認知する、3)人間関係の距離感を習得する、4)異文化社会で生きるためのコーピング、5)宗教的活動の実践に係る葛藤という5つのテーマが抽出された。インドネシア人看護師は日本の職業的規範に関し詳細なルールを遵守しなければならないことを違いとして認識していた。詳細なルールの存在を医療安全対策として有効であるとポジティブに捉えている一方で、業務の順序など不要なルールが存在することに違和感を示していた。職場での人間関係については後輩が先輩に従うことを日本の特異性として認識していた。患者とのコミュニケーションでは、タッチングの場面で母国とは異なる配慮が必要なことが挙げられた。対象者の多くは職場で友好的な人間関係を築いており、異文化社会で生きるためのコーピングスキルを習得していた。帰国の理由として文化の違いを挙げるものは少なかったが、イスラム教徒では金曜礼拝等の宗教的活動を実践できないことがセルフエスティームの低下に繋がっていた。 国内調査についてはEPA看護師と管理者30名にインタビュー調査を実施した。結果については分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた海外調査において協力機関の研究協力者の都合により協力機関を変更したこと、研究代表者が家族の介護に時間を要したことが理由である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は最終年度となるため、既に収集した国内外のデータを分析し発表する。
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Causes of Carryover |
当該年度は最終年度の予定であったが、海外調査において当初予定していた協力機関の研究協力者の都合により協力機関を変更したこと、研究代表者が家族の介護に時間を要したことからデータ収集の進捗が遅れ、データ解析・発表に係る費用の支出が生じなかったことが原因である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
収集したデータのテープ起こし及び翻訳費用、研究発表に関するインドネシア研究協力者との打ち合わせのための渡航費用を計上する。
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