2014 Fiscal Year Research-status Report
半側空間無視を有する患者の食事時の姿勢調整ケアの開発
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25463320
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Research Institution | Kanagawa University of Human Services |
Principal Investigator |
水戸 優子 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (70260776)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大石 朋子(大塚朋子) 神奈川県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 講師 (40413257)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 半側空間無視 / 食事 / 摂食 / 姿勢 / ケア / リハビリテーション / ポジショニング / 姿勢調整 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、半側空間無視を有する患者の食事時の姿勢調整ケアのプログラムを開発することを目的としている。平成26年度は、食事時の姿勢調整「ケア要素の抽出」のために、観察法とインタビュー法を用いた質的記述的研究を行った。研究協力病院および所属大学の倫理審査委員会の承認を得たのち、病院の場で、実際に半側空間無視を有する患者に、摂食嚥下ケアおよびリハビリテーションに関わる看護師、言語聴覚士、作業療法士が食事時に行っているケアとリハビリテーションの場面を観察して記述し、その後、なぜその行動をとったのか、成果をどのように評価しているか等についてインタビューを行ったものである。 患者対象者を5~6名とし、入院した時点で同意を得て研究を行ったが、半側空間無視を有する症例はもともと稀であるため、5名の患者対象への専門職スタッフからのデータを得るために2014年8月から2015年3月前半までの7か月間を要した。そのため、現在「ケア要素の抽出」のためのデータ分析中である。中間分析を行い、その内容については、看護技術のエビデンス検証に詳しい者らによる研究会にて検討してもらい、助言を得た。現時点では、「食事を認知し食べる動作へと誘導する(代償)」「適切な食事姿勢のために正面位へ誘導する(リハビリ)」ことをケア・リハビリテーションの目的とし、そのために頭頸部の可動制限を含む安定性確保、顔面位の誘導、体幹安定保持などの姿勢調整を行っていることが分かった。引き続き、データの分析を行い、専門家からの助言を得て、プログラム案を検討する予定である。 一方で、平成25年に行った半側空間無視に関連するケア・リハビリテーションの文献の検討とアンケート調査の結果を併せて比較し類似するケア要素についてカテゴリ化を行ってそれを論文としてまとめた。この結果は、「ケア要素の抽出」に参考になるものである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は「ケア要素の抽出」を行い、専門家からのスーパーバイズを受けて修正しケアプログラム案を作成する予定であった。しかし、半側空間無視を有する患者が、平成26年度は思いのほか少なく、5か月程度の予定でデータ収集を行う予定であったことが、7か月かかってしまった。そのためデータの分析が十分でないことと専門家からのスパーバイズを十分に受けられていないのが現状である。ただし、平成25年度の文献検討と質問紙調査の結果を併せてまとめ、論文にすることができたことはよかったと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
早急にデータの分析を行った後、専門家(脳神経専門医、摂食・嚥下リハ認定士、作業療法士の資格をもつ大学教授)にスーパーバイズを受けて、ケア要素の抽出内容を洗練化させる予定である。その後、ケアプログラム案を作成し、それを、あらためて臨床現場にて実施してもらって、そのプログラムの効果を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
平成26年度に予定していたデータ収集のための旅費および学会発表のための旅費の使用が予定よりも少なかった。その理由は、対象患者が少なかったことや専門家からのスパーバイズを得る機会が持てなかったこと、学会発表が東京新宿であり所属の大学から近距離であったためによる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、専門家のスーパーバイズを受ける目的および再度協力病院でのデータ収集のための旅費および学会発表のために、前年度使用しなかった旅費分を使用する計画である。
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Research Products
(2 results)