中堅看護師の就業継続に向けた管理者向け支援習得プログラムとアウトカム指標の作成

2013 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 25463322
• Research Institution: Niigata College of Nursing
• Principal Investigator: 岡村 典子 新潟県立看護大学, 看護学部, 准教授 (40342000)
• Project Period (FY): 2013-04-01 – 2016-03-31
• Keywords: 中堅看護師 / 看護管理者 / 就業継続 / アクションリサーチ

Research Abstract

本研究は，看護管理者の見える支援により「中堅看護師が生き生きと仕事に取り組む」ことを目標に，「中堅看護師の就業継続に向けた管理者向けの支援習得プログラムを作成するとともにアウトカム指標の作成」を目的としている．
平成25年度は，「管理者向けの支援習得プログラム」を立案するため対象となる看護管理者（看護師長，副看護師長）3～4名と月に一回のグループミーティングを行うことを計画していた．
そこで，まずはグループミーティングの内容を精選するため，アクションリサーチによる方法論を採用した論文等の検討を進め，「ミーティングで提示する事例について」「ミーティングの進め方」「ミーティングにおけるファシリテーターの役割」「記録，報告」「個人情報保護，倫理的配慮」の5点に内容を整理することができた．
対象施設については，本研究の計画段階（平成24年度）において，対象施設の看護部から協力への承諾を得ていたが，平成25年度より看護部の部門管理者らが交替したことから新たに本研究の説明・依頼を行った．その際，平成25年度の看護部・現任教育計画のなかに，中堅看護師を対象とした研修があることから，中堅看護師の実態を把握する目的で研修企画委員のメンバーに勧められ，研修に参画することとなった．研修内容は，中堅看護師らが職場改善に向け，フィッシュ哲学を基盤とした取り組みを実施するものであった．この研修への参画により，中堅看護師が自身の役割や立ち位置をどのように認識をしているのか，また所属部署の看護管理者らが中堅看護師にどのように関わっているのか，といった実態を把握することができた．
また，グループミーティングの開催には至らなかったものの，対象施設における中堅看護師の様子や看護管理者の関わり等について，看護部の部門管理者らと意見交換を重ね，研究協力への承諾を得ることができ開催に向けた準備を進めることができた．

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本来であれば，平成25年度はグループミーティングを開催する計画であったが，そこに至らなかった理由として対象施設の看護部の部門管理者らの交替があげられる．そのため，まずは部門管理者らと研究者との関係形成から取り組むとともに，中堅看護師の離職や中堅看護師のキャリア向上について意見交換を重ねながら，本研究への理解・協力を得ることに時間を充てることとなった．
また，予定していなかった中堅看護師を対象とした研修への参画が加わったことも，研究の進行がやや遅れることにつながったと考える．
上記二点の理由により，研究の進行がやや遅れたと考えているが，二点とも研究内容を充実させるものであったこと，また今後の研究活動を円滑に進めることにもつながったといえることから意義あるものであったと捉えている．

Strategy for Future Research Activity

平成25年度の計画内容が滞ることは，本研究の申請時・計画書の【研究が当初計画どおりに進まない時の対応】にも明記していたことであり，その場合には平成25年度の計画内容と平成26年度の計画を同時に進めていく予定であった．
計画している看護管理者らとのグループミーティングは，支援プログラムの立案には欠かせないことから，平成26年度は平成25年度の計画内容を並行して進めるとともに，グループミーティングにて得られる内容を基に看護管理者向けの支援習得プログラムを立案し，アウトカム指標の作成につなげていく．
また，平成25年度の中堅看護師を対象とした研修への参画により，中堅看護師自身の役割認識や，中堅看護師と所属部署の看護管理者との関わり等について理解を深めることができ，本研究の内容，および意義を確認することにつながった．また，中堅看護師と関わることで，対象施設や所属部署に培われてきた習慣や文化といったものも得ることができたことから，これらのことも踏まえた意義ある支援プログラムが立案できるよう研究を進めていきたいと考えている．

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

研究の進行がやや遅れており，平成25年度に計画予定であったグループミーティングの開催が滞ってしまった．そのため，記録用として購入予定であった「モバイルパソコン」「ICレコーダー」等の予算を執行できなかった．併せて，データ起こし分の人件費等もそのままとなったことが，次年度使用額が生じた理由である．
平成26年度は，平成25年度計画内容を並行して進めることから，記録用として必要となる「モバイルパソコン」「ICレコーダー」等の購入，併せて，データ起こし分の人件費，並びに対象者へのお礼等，計画していた内容に予算を使用する予定である．