2015 Fiscal Year Research-status Report
病院組織の在り方が看護師の“倫理的悩み”を介して離職意図に与える影響
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25463330
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Research Institution | Kobe City College of Nursing |
Principal Investigator |
石原 逸子 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (30221071)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松葉 祥一 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00295768)
川上 由香 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (30364053) [Withdrawn]
玉田 雅美 神戸市看護大学, 看護学部, 講師 (70511228)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護師 / 急性期病院 / 倫理的悩み / 質問紙調査 / マグネットホスピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、病院の組織風土や看護管理の在り方と看護師の“倫理的悩み”との関連性を離職動向への影響から明らかにすることを目的とした4年間(平成25年度から平成28年度)にわたる縦断的研究である。以下に、平成25年度に実施した質問紙調査の結果を要約した。 質問紙に回答した看護師らは、中程度に組織にコミットしながらも給与や看護提供体制への不満、心身への負荷感が高く、ある程度の倫理的な悩みを抱え、患者に対してではなく仕事に対して燃え尽き感を少なからず覚えていた。また、全国の離職率11.0%(2013年度日本看護協会調べ)に比して離退職志向が高い集団であることが示唆された。 労働環境の因子分析の結果から,急性期病院の看護師は,看護実践を支える教育プログラムの充実,マッグネットホスピタルの特徴を有する看護管理職の存在,十分な人員配置等の労働環境において,倫理的悩みを経験する頻度が減少することが示唆された。労働環境と倫理的悩みの関連として,悩みの頻度と弱い負の相関がみられ,労働環境の改善が看護師の倫理的悩みを軽減することが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、平成25度に実施した質問紙調査の結果を看護科学学会(3件)、19th East Asian Forum of Nursing Scholars (EAFONS) in Chiba, Japn(2件)で 学会発表を行った。しかし、研究結果を論文として投稿する迄には至らなかった。 さらに、縦断研究であるため、平成27年度に予定していた調査施設5施設に対して4施設、質問紙調査を実施し、現在解析中であるが、多変量解析結果の検討はこれからであり 当初の予定よりやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.平成25年度に実施した質問紙調査の解析結果に基づき、論文を作成し発表する(現在進行中) 2.平成28年度計画していた、看護職の労働環境について研究している米国、香港、日本国内から研究者を招聘制し、研究の進捗状況の発表会を開催すると共に、今後の国際共同研究についての研究申請を検討する予定である。 3.4年間の研究結果を縦断的データとして共分散構造分析し、看護師の倫理的悩みとマグネット環境との関連についての概念化を図る。
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Causes of Carryover |
1.分担研究者が主に行う予定であった近畿圏内における打ち合わせ旅費が、メール等 で対応できたため必要なくなった。 2.平成27年度に国際学会で発表する予定を立てていたが、発表した国際学会は、国内で 開催された国際学会で会ったため、諸費の支出が減額した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
分担研究者を1名追加し、当該研究者の所属先が学外であるため、研究打ち合わせに 必要な交通費の支出(5-6回)に使用予定。
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