2013 Fiscal Year Research-status Report
ジェネラリストとして求められる放射線看護の知識・技術体系の構築に向けた基礎的研究
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25463337
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Research Institution | Yamaguchi Prefectural University |
Principal Investigator |
井上 真奈美 (河口 真奈美) 山口県立大学, 看護栄養学部, 准教授 (20285357)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射線看護 / ジェネラリスト / 放射線基礎知識 / 放射線の取り扱い / 看護技術 / 看護基礎技術 |
Research Abstract |
看護職がジェネラリストとして求められる放射線に関する知識・技術体系を明らかにすることを目的に、本年度は現状把握を中心とし、放射線看護に関する文献収集及び分析と現場での看護職が感じている現状について聞き取り調査を行った。 結果として、近年放射線に関する文献数は増加傾向にあるが、具体的にジェネラリストを対象とした知識技術に関するものは認められなかった。放射線認定看護師の教育の開始に伴い専門的な知識体系の構築は進みつつある一方で、ジェネラリストとしての基礎知識体系の未構築の現状が明きらかとなった。 また、収集した文献のうち放射線治療を受ける患者の思いに着目した文献を分析した結果、患者の思いを示す内容が298項目抽出された。これらの内容を精選し63項目の思いが抽出され、最終的に【外来治療への期待】【放射線治療の重さ】【疾患の進行と治療効果】の3カテゴリーが抽出され、看護者のケアの方向性や必要性が示唆された。 また、現場の看護職は、入職時受講した研修内容や、放射線の取り扱いについて記憶しているものが少なく、放射線治療患者を受け持ち何らかのトラブルが生じた場合に、方法論を持たないことへの不安をかかえながら患者へのケアについて模索しており、皮膚トラブルや患者の心的不安に対するケア等に関心が高まっていることが伺えた。 さらに施設内で、放射線に関する教育を担っているのは、看護職ではなく、技師や検査部の担当者であることが明らかとなり、看護職による看護職のための知識・技術等が院内における看護師教育の中に組み込まれていない現状も推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在、基礎データ収集に時間を要しており、調査票作成までに至っていない点はあるとおもわれるが、基礎データ収集に時間を要することでより現実を反映することができることから初年度としての調査に取り組んだ。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点の情報収集や調査の現状から、各施設における放射線看護の取り扱いについて画一的な方向性は見いだせていない。しかし、現状は様々でありながらも、看護職は患者のケアを行うために、創意工夫をしている現状を情報収集や現地調査及び意見交換の場に於いて明らかとなってきた。これらの現状を礎に患者及び医療職自身の安全を図ることのできる環境と看護職への知識付与を行うべく、コアとなる基礎知識及び技術を明らかにするためにさらなる現状把握と今後に向けた方向性の構築を進めていく。
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