2015 Fiscal Year Research-status Report
看護技術教育におけるICTを活用した自己学習支援システムの有効性に関する研究
Project/Area Number |
25463355
|
Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
中山 栄純 北里大学, 看護学部, 准教授 (70326081)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 看護技術 / e-learning / 自己学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、本自己学習システムの通常の運用と平行して、学生の学習記録の質的評価を行った。具体的には、システムに記録された2年間の自己学習記録をテキストマイニングによって分析し、自己学習記録の記載内容の変化を確認することとした。 今回は実施内容の詳細のみを対象データとし、学習進行別の変化をみるため、学年次と前後期ごとに学生の記録をまとめ、1年次前期分を1文書とみなした。同様に1年次後期分を1文書とし、2年次前期分の計3文書とした。テキストマイニングには統計ソフトRと、R上で形態素解析を実行するRMeCabを使用した。文書では「看護師」を「看護者」や「Ns」、「患者」を「対象者」「Pt」など表記のゆらぎを辞書整備や文字置換などで調整の上、索引語頻度(文書別の語の出現頻度)を局所的重みとして分析のキーとなる重要語を判別した。抽出された重要語をノードとする語の共起関係(ノードとした語が別の語と隣接して出現する関係)を算出した。共起関係のなかから、いずれかの文書で出現頻度に関するT値と共起関係に関するMI値がともに有意となる語を抽出した。その抽出語をノードとする共起関係をさらに算出して、1年次前期から2年次前期にかけて有意な共起関係が出現する語に着目して、文書の記述内容の変化を確認した。 その結果、1年次前期から2年次後期にかけての全文書で有意な共起語がみられたのは「負担」のみであった。そこで、全文書で有意な共起語がみられた「負担」が各文書内で実際にどのようにつかわれているかをさらに確認した。その結果、1年次前後期を通じて、具体的な個別の技術内容や行為の記述にとどまっていたものが、2年次前期にはより広い観点からの記述となって、患者負担の原因や軽減策の考察につながっていることが確認できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
次年度に最後の大規模改良を行う予定であるが、今までの取り組みから改良に必要なポイントが明確になっているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成28年度に自己学習支援システムに最終的な改良を行い、その効果を経時的に評価しながらシステムの有効性についての最終的な評価を行う。
|
Causes of Carryover |
今年度中の小規模なシステムの改良を取りやめ、次年度の授業開始前に大規模な改良を行う予定へと変更したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
自己学習システムの大規模な改良に対する予算として追加計上する。
|