2015 Fiscal Year Annual Research Report
大規模災害発生時に被災地で活動を行う看護師を支援し続ける無線通信システムの研究
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25463362
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
大山 太 東海大学, 健康科学部, 准教授 (30398531)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 災害 / 通信 / インターネット通信 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は無線通信をインターネットで中継するシステムの完成に尽力した。災害時を想定して、できるだけ狭帯域のネットワーク環境での通信システムを組むことを目指したソフトウエア開発を行った。 その結果、64Kbps程度の回線でも中継が可能となる無線中継ソフトの開発が出来た。しかしながら、通信の不安定さ、音声の遅延などの問題が大きく、現状では何ら事前知識のない医療従事者が利用するには大きな障害が残った。これらの問題を改善すべく度重なる実験と変更を行い、確実性と安定性の追求を行った。実験の結果、音声伝送に関わる通信本体のプロトコルはUDP、最初の接続関係部分のみTCP/IPへの変更とし、UDPの信頼性の欠如に対しては通信アプリ側での工夫にて対応した。最終的には、25Kbpsの回線速度であっても、遅延などの問題も克服し、十分な通信を確保することができるに至った。 ならに残る問題としては、インターネット回線に音声を流すタイミング(送受信の切り替え)の問題である。現在は単信無線電話装置とソフトウエア(PC)との接続は、ハードウエア(電子回路により、音声入力信号を検知して送受信を切り替える装置)をもちいいているが、これをソフトウエア的に音声信号を検知して送受信を切り替えるような、ソフトウエアVOX機能を追加することを目指していたが、本研究期間では実現できなかった。しかし、これに関しては技術的にはさほど高度なものではないため、今後の継続開発研究において実現可能であると考えている。 当初の計画では、人工衛星による通信実験を予定していたが、通信設備設置工事に多くの費用が必要となったため、今回これらの実験は見送り、3G回線での実験に変えて実施。今後、今回の成果を発展させた研究を行う予定をしており、その際には人工衛星回線を用いて、通信の遅延などの検証を実施したいと考えいる。
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