2014 Fiscal Year Research-status Report
高齢者施設における感染対策の課題と人的支援・地域連携の在り方に関する研究
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25463368
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
近藤 陽子 東邦大学, 看護学部, 講師 (40510475)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 意思決定 / 組織行動 / 感染対策 / 高齢者施設 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国の感染対策は、大規模医療施設を中心に発展してきた。近年では、国立病院や大学付属病院だけでなく、中小規模医療施設においても感染対策の充実が求められるようになってきたが、高齢者施設など医療従事者が少ない施設において、感染症の予防・拡散の防止対策を適切に講じることが、必ずしも容易ではないことが指摘されている。 そこで、本研究では高齢者施設を対象に感染対策上のニーズを明確にし、各施設における感染対策の向上、および地域ネットワークの構築を目標として取り組んでいる。 本研究では、昨年度より高齢者施設の感染対策の状況について概要を把握するために、調査用紙の作成に取り組んでいる。この調査では全規模で配布する予定としているが、調査内容の検討のために、現在、全国の高齢者施設の概要について資料をもとに集計しているところである。今後は、資料をもとに作成した調査用紙を送付、返信結果を分析し、我が国の高齢者施設の現状把握をしていく予定である。 また、高齢者施設の感染対策の推進にあたっては、施設における組織作りが重要であるが、組織分析については、ハーバート・A・サイモン著「経営行動:ダイヤモンド社(二村敏子他訳)」を感染対策に取り組んでいる看護師を中心とした研究チームを発足し、勉強会を実施している。この勉強会において、現在、組織における意思決定過程の調査方法について検討中である。 上記と同時に、モデル介入を実施する高齢者施設を募る地域を検討する。介入する地域の施設間の関係性、管轄する諸機関の情報を収集する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
本研究では、施設介入を実施し、施設のニーズ把握・感染対対策の向上、地域ネットワークを構築することを目的にしているが、こうした取組の中で、組織における意思決定過程を明確化することを試みている。そのため、組織・意思決定に関する事前の学習が必須であり、時間がかかっている。 上記に基づいて調査内容を検討しているが、先行研究が少なく、調査項目のもとになる概念の形成・項目の選定について時間がかかっている。時間を要している理由として、研究者一人では客観的な視点の維持が困難であるため、複数の協力者とともに議論を重ねており、これらの会合の実施がなかなか進まないことによるものである。
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Strategy for Future Research Activity |
資料を検討し今後は、研究者が本研究に費やす時間を大幅に増加するとともに、協力者の人数を増やし、毎回の参加ができなくても会合が成立するように調整していくことにした。 これまでに検討した内容については、別途、本年度の学会に報告する。 本調査については7月の倫理審査に提出する予定である。
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Causes of Carryover |
25年度から準備が遅れてしまったため、26年度は実際の調査を実施することができなかったので、学会参加費用以外の大きな費用を使うことがなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度も、学会参加費用のほか、調査用紙の郵送費用および調査結果の集計解析のために予算を使う予定にしている。
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