2015 Fiscal Year Research-status Report
Webで行う自然災害に対する病院看護部の備え支援システムの構築
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25463381
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Research Institution | Baika Women's University |
Principal Investigator |
西上 あゆみ 梅花女子大学, 看護保健学部, 准教授 (30285324)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 自然災害 / 病院看護部 / 備え / 尺度 / インターネット / システム評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は自然災害に対して病院看護部が備えを行えるように、Webを介した災害への備えに関する尺度のサイトを作成し、自己点検・評価を行えるシステムを構築することである。本研究は3年間で計画されており、この研究期間内において作成した尺度を利用者となる看護師へのヒアリングを通して分析し、利用しやすいものとなるようにする。Webへ掲載した後は、全国の病院看護部へ広報、実施してもらうようにした。 調査研究は1年目と3年目に実施し、それぞれの研究目的はつぎのとおりとした。1年目は、病院看護部の自然災害への備えについて尺度のWeb上でのサイトの構築のために、Webの活用に対して、病院看護部において災害看護を担当する看護師にはどのような要望があるのかを明らかにする。3年目は、1年目の結果をもとに作成したWebサイトについて全国の病院看護部に運用できることを広報する。その後、Web上の自然災害に対する病院看護部の備え尺度に対する調査を実施、結果を分析することでWebの効果を明らかにする。 結果であるが、1年目の調査は、2013年12月から2014年2月まで行われ、研究依頼した5施設すべてで研究参加への同意を得た。自然災害への備え測定尺度をWebで使用することへの有用性について期待されていることがわかった。さらに病院看護部の備えの推進に関わる要因として、1)意欲、2)危機感、3)知識、4)看護部への支援体制が関係することがわかった。 3年目の調査では、Webを介した尺度の利用が受け入れやすいものであるのか、利用状況や質問紙調査を実施する。利用状況におけるWebへのアクセス数や利用回数、質問紙調査におけるWebの役立ち感、利用しやすさ、わかりやすさなどの内容からWebでの自然災害に対する病院看護部の備え尺度を介した支援の可能性を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度にWeb上で公開予定であった「自然災害に対する病院看護部の備え測定尺度」は、事前シミュレーションの実施を追加したため、実際の運用は平成27年5月になった。このため、当初の計画時期よりもこのWebシステムの運用に関する調査の実施が遅れた。事前シミュレーションを行っていたために、システムの評価結果は回答数は少ないが、おおむね公表の結果を得た。回答結果は、「内容がわかりやすかった」「診断結果がわかりやすかった」にはほとんどの施設が、「システムを利用して良かった」「システムは役に立つ」は全員が「はい」と回答した。また、得た質問について、ホームページ上で回答をした。しかしながら、調査結果の公表については、平成28年2月に一部を国内の学会において発表したのみになった。システム自身が、十分に認識されるには至っていないと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の本研究の推進については、本研究において5000以上の病院に配布したにもかかわらず、システムを利用した施設が少なかった。また、システム評価については14%の回答率であり、これも高いとは言えない。 郵送による質問紙の調査結果では、「知らなかった」が71.1%あった。5月に送付していた尺度のご案内は、有効活用に至らなかったと考える。今後は、学会や看護協会などへの広報を広め、より活用してもらう方策をとる。
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Causes of Carryover |
平成26年度に「自然災害に対する病院看護部の備え測定尺度」をWeb上で公開する予定であったが、事前シミュレーションを追加したため、実際の運用は平成27年5月となた。このため、渡欧書の計画時期よりも調査実施が遅れた。調査結果の公表について一部は、国内学会において研究期間内に発表できたが、広く発表するには間に合わなかった。このため、未使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成28年度は、2年に一度の世界災害看護学会がインドネシアで行われることもあり、これに参加するとともに、学会誌への発表を計画している。学会への渡航費用並びに、発表のための英文の抄録、発表原稿の作成の使用にあてたいと考えている。さらにWebサイトの修正改善も行うことを考えている。
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