2013 Fiscal Year Research-status Report
時間生物学を基盤とする急性期脳卒中患者の生体リズムを調整するための看護技術の開発
Project/Area Number |
25463390
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
清村 紀子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 准教授 (90331008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 概日リズム / 脳卒中 / 意識障害 / 生体リズム調整プログラム / 看護介入 |
Research Abstract |
本研究の目的は、脳卒中患者の急性期における概日リズム(以下、CR)を捉え、概日リズムの維持または健康レベルに変化させ得るCR調整看護ケアプログラムを開発することにある。本年度は、以前より継続している脳卒中患者の急性期における生体リズムのデータ解析と介入プログラム案を策定した。 1.脳卒中急性期にある患者3名について、48時間連続1分間隔で心電図(R-R間隔)を測定した。得られた連続データは最大エントロピー法(MEM)によるスペクトル解析と非線形最小二乗法(LSM)によるあてはめ解析を行った。対象患者の意識レベルはJapan Coma ScaleII-20、II-30、III-100であった。結果、i)3名の生体リズムはいずれも発症に近い時期には、変化の少ないMesorとAmplitudeが示され、これまで得られたデータと同様の結果を示した。ii)周期リズムの平均は12~50時間と様々であったが、いずれの患者においても、顕著ではないながらも24時間を示すパワースペクトラム密度(PSD)は消失せずに維持されていた。iii)III-100の意識レベルを示した患者の24時間を示すPSDは、他の2名に比べて不明瞭であった。 2.すでに作成していた介入プロトコールには、刺激の周期性の確保という点で課題があったことを踏まえ、病院環境や治療上の制約条件を考慮した介入研究プロトコールの改善を試みている。平成26年度はプレテストおよび介入実施によるデータ収集を予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象患者の確保に時間を要することが最大の原因である。研究目的を逸脱しない範囲内での患者条件の変更についても再検討が必要と判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
①対象患者の確保に時間を要することが進捗の遅れの最大の要因であることを鑑み、対象患者選定要件について再度検討する、②早急にプレテストを実施し本格的な介入実施を目指す。③予定よりやや遅れているものの、急性期の患者に対し直接介入するため、患者の安全確保の点からも介入プロトコール作成には細心の注意を払う必要がある。従って、プロトコール作成はある程度の時間をかけて修正・改善を試みていく。④課題である「刺激の周期性の確保」が実現できるよう、協力病院との調整を継続していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は介入を実施しデータ収集する予定であった。介入の実施にはマンパワーが必要となるためそのための人件費を申請していたが、対象患者の確保に困難性を極めたため介入実施までに至っていない。これによって、概ね申請していた人件費の使用は次年度へずれ込んだ。 ①平成26年6月までに最新文献を確認し対象患者選定要件の変更について決定する、②平成26年7月~9月プレテスト実施と結果分析ならびにプロトコール修正、③平成26年10月~介入実施し、平成26年度中は継続して介入を実施していく計画である。
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