2014 Fiscal Year Research-status Report
時間生物学を基盤とする急性期脳卒中患者の生体リズムを調整するための看護技術の開発
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25463390
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Research Institution | Seinan Jo Gakuin University |
Principal Investigator |
清村 紀子 西南女学院大学, 保健福祉学部, 准教授 (90331008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深井 喜代子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (70104809)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 慨日リズム / 脳卒中 / 意識障害 / 生体リズム調整プログラム / 看護介入 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、脳卒中の急性期患者の生体リズムを整える看護ケアプログラムの開発にある。本年度までに、脳卒中急性期患者の生体リズムのデータ解析、既存文献からのエビデンスを参考に看護ケア介入プログラム案を策定した。これまでの経過を踏まえ、本年度は、以下のことを実施した。 1.看護ケア介入プログラム策定にあたり、課題となっており、かつ修正可能な病院環境という条件(治療その他によって、患者の1日の生活リズムが一定でない)を考慮した看護ケア介入プログラムに修正した。 2.安全性の確認、および看護ケア前後の循環動態と自律神経活動の変化を確認するプレテストとして、健康な成人40代の男性1名、女性1名(いずれもボランティア)を対象にそれぞれ半日間の看護ケア介入プログラムを実施した。結果、①循環動態の変動は自律神経活動と連動して変化するものの急激な血圧の変化等の危険性は認められなかった、②仰臥位での足浴実施には対象者の協力が必要となり、意識障害患者に対して実施する場合は、下腿部の温罨法等の他の手段での実施変更が実用的だと考えられた、③様々な刺激(音楽、臭い、皮膚刺激、温熱刺激)の中で、特に皮膚刺激(マッサージ)と温熱刺激に対する副交感神経活動の活性化には有効であった、の3点が確認された。 3.本研究に関連ある学術集会に参加して、慨日リズムに着目した一般演題や交流集会での質疑を通して意見交換し、本看護ケア介入プログラムに追加可能なケアの有無について検討した。 以上のことを踏まえ、平成27年度は、①1名の患者へのプレテスト介入を実施した後、②5~10名の患者を対象に看護ケア介入プログラムを実施し、③得られたデータの分析を行い、④最終的に現段階のエビデンスに基づく脳卒中急性期患者の生体リズム調整看護プログラムの完成を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象患者の確保に時間を要する課題がいぜん続いたため、①研究目的を脱しない範囲内で対象患者の条件を緩和する、に加え、②協力施設を追加していく(内諾済み)。
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Strategy for Future Research Activity |
①対象患者の確保に時間を要することで進捗の遅れがあるという課題が継続していたため、平成27年度は協力施設を追加して(内諾済み)、本格的な患者に対する介入プログラムのプレテストおよび本実施を目指す。②予定よりやや遅れているものの、健康な成人を対象とするプレテストを実施したことで、計画の段階では確認できなかった利便性の観点からの看護に必要な方法・物品選択への示唆が得られた。③平成27年度は新たな協力施設との打ち合わせを十分に行って9月までのプレテスト、11月までの本実施、にむけてタイムスケジュールをたて研究を遂行していく。
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Causes of Carryover |
平成26年度は対象患者に介入プログラムを実施予定であったが、それまでの協力病院では①対象患者の確保に困難性を有する、②急性期で患者家族の承諾を得るのに時間を要し、本研究目的の対象患者としての時期を逸する、といった理由から、患者に対する介入プログラム実施に至らなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度の実施にあたっては、救命救急センターを有する医療機関を協力病院に加え、対象患者を確保し、患者に対する介入プログラムを実施していく。新たな協力病院は、年間1000台以上の救急車を受け入れ実績があり、対象患者の数的確保が見込めるが、研究代表者の所属する機関からは遠方にあるため、期間を限定して研究実施にあたる。このため、平成27年度は、交通費、および本研究対象者の特徴(入院が予測できない)を鑑み、いつでも対応できるよう研究協力者の数を増やしてその謝金等にあてる。また、研究結果を国際学会で発表するための交通費に充填する。
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