2013 Fiscal Year Research-status Report
日本におけるEOLケア教育のカリキュラム作成~我が国の実態と改善点を踏まえて~
Project/Area Number |
25463395
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
小林 美亜 千葉大学, 看護学研究科, 准教授 (00327660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 真佐子 四国大学, 看護学部, 教授 (10433608)
池崎 澄江 千葉大学, 看護学研究科, 講師 (60445202)
鈴木 美穂 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70645712)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 終末期 / エンド・オブ・ライフ / シラバス / 看護教育 / カリキュラム |
Research Abstract |
日本では総人口に占める65歳以上人口の割合がすでに20%を超え、今後死亡数が増加し続けることが予測される。このような多死社会の中で、看護師による質の高いEOLケアは一層重要となっている。2009年には、看護基礎教育の中にいて「終末期看護」に関する学習内容を含むようにカリキュラム改正されている。しかし、カリキュラム改正後、実際にどのようなEOL教育がどの程度実施されているか、また学生にどのような影響を与えているかはあまり明らかでない。 本研究は、日本において実行可能で、かつ効果的なEOL教育カリキュラムを提案することを目指し、その第一段階として、看護基礎教育におけるエンド・オブ・ライフ(終末期:以下EOL)ケア教育の日本の実態を把握するとともに、看護学生のEOLケアに対する態度を評価することを目的とした。 EOL教育の実態把握として、今年度はシラバス調査を実施した。医療関係者養成施設(http://youseijo.mhlw.go.jp/)に掲載されていた746校(大学215校、短大23校、専門学校508校)の学部長・学科長・校長宛に依頼状を送付し、シラバスの提供を依頼した。シラバスの提供に同意する看護師養成学校は、返信用封筒にシラバスあるいは自校のホームページからシラバスをダウンロードすることの同意書を同封し、調査事務局に送付した。本調査研究は、千葉大学大学院看護学研究科の倫理審査委員会の承認を得て実施した。 シラバス調査の協力を依頼した746校のうち、67校(回収率9.0%)からシラバスの提供が得られた。得られたシラバスから、現在、EOLケアに関連する教育が行われている科目(教養科目・基礎科目は除いた専門科目)、項目、授業時間数を把握し、分析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成25年度(1年目)中に、学生のEOLケアに対する態度の質問紙調査も実施し、シラバス調査から得られたEOLケア教育の実態との関連を分析する予定であった。しかし、質問紙の作成に時間を要したため、学生に質問紙を配布することが適切と思われる時期を逃すこととなり、シラバス調査のみの実施となった。しかし、質問紙は既に完成し、倫理委員会からの承認、また看護師養成校からの研究協力の同意も得ており、2年目の5月に質問紙調査を実施し、この遅れを取り戻す予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度(2年目)は1年目の遅れを取り戻すとともに、予定していた2年目の計画を遂行する。まずは、1年目に実施できなかった学生のEOLケアに対する態度調査を実施する。1年目のシラバス調査で回答・同意の得られた学校から30校をランダム抽出し、各校1 年生と4 年生(短期大学と養成学校は3 年生)を対象に(各1000名程度)、1年目に作成し倫理委員会の承認を得たEOL ケアに対する態度(FATCOD- Form B-J)と自信に関する自記式質問紙(匿名式)を配布し、任意で料金後納の封筒で質問紙の返送を依頼する。この調査で得られたデータとシラバス調査の結果との関連を分析する。 また、当初の2年目の予定通り、米国、英国、欧州1 各国を対象とし、EOL教育について先駆的な取り組みを行っている大学や専門家にインタビューを実施する。 3年目は予定通り、デルファイ法による日本のEOL ケア教育の中でとりいれていく教育事項を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
1年目に実施する予定であった「質問紙調査」を実施できなかったため、その費用分が次年度に繰越となった。 今年度(2年目)は、質問紙調査を実施する予定であり、1年目に計上していたその予算を執行する予定である。
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