2016 Fiscal Year Annual Research Report
Experiences of long-term cancer survivors who have been involved in and managing a self-help group for over 10 years
Project/Area Number |
25463420
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
福井 里美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (20436885)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | がんサバイバーシップ / 質的研究 / ピアサポート / 患者会 / 長期サバイバー / 意味 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】最終年度は、前年度より継続して面接調査を行い、研究の全体のまとめを行った。前年度から引き続いて行った面接調査の目的は、診断後10年以上の長期サバイバーが現在も患者会やピアサポート活動に関与し続ける経験、意味づけの実態を明らかにすることであった。 【方法】今年度は7名のリクルートに成功し、半構造化面接を実施した。最終的に合計18名のデータを得た。年代は40代1名、50代3名、60代8名、70代4名、80代2名、性別は男性5名、女性13名である。現職、退職者は現役時代から、医療職、行政施設の相談業務、会社経営、労働組合のまとめ役、主婦もPTA役員や子育て、親の介護・看取り経験など、相談・医療経験があった。がんの原発部位は延べ人数で、乳腺11名、胃2名、大腸1名、子宮1名、喉頭1名、舌1名、腎臓1名、膀胱(腎臓と重複)1名、白血病1名、性腺外原発胚細胞腫1名であった。3名は多重がんを経験し、別の4名は再発・転移治療を経験していた。病期は、Stage0-Ⅰ:10名、StageⅡ:3名、StageⅢ:2名、StageⅣ:2名、不明1名である。最初のがん告知からの年数は平均17.6年(標準偏差6.0、レンジ10~30)であった。面接の録音データから逐語録を作成し、質的帰納的な分析を行った。 【結果】サポート活動を長期に継続する意味として最終的に集約されたテーマは、〔長期生存者・証言者としての使命〕〔がん体験者の思いを共有する意味への確信〕〔他者が変わる喜び〕〔恩返しと生きがいのライフワーク〕〔医療者とのつながりの継続〕〔ピアサポートと「がん相談」の違いの認識〕〔今後の活動への模索〕が見出された。 【考察】多くのがん患者へのサポートを重ね、生存者として証言する意味や使命感、ライフワークであることを実感していた。今後はこれらサバイバーの経験の意味を尊重した連携、体制が求められる。
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Research Products
(3 results)